アーちゃんのとある疑問



アサ→アイ
※アーちゃんがなんか大変です。


「ねぇ、テツ。私思ったんだけど先導アイチって私の生き別れになった妹じゃないのかしら」
「ぶっ」



いきなり、唐突に言うものだからソファに座りコーヒーを飲みながらテレビを見ていたキョウは思わず噴き出してしまった。だがアサカは大真面目で。



「ちょっとキョウ、汚いわよ」
「てめぇがいきなり変なこと言うからだろ!」
「私はテツに聞いてるのよ。あとどうでもいいけど、"テツ"って携帯で打つと必ず"テチ"って打っちゃうの。これ実話よ」
「その実話は置いといて、なんでいきなりそんなこと思ったんだ?」



そうテツが聞けばアサカはため息をついて、悩ましげな表情をした。キョウは無視してテレビの音量をあげれば、ソファに埋められてしまった。



「ほら、あの子、私と同じ髪色だし華奢だし、名前もアから始まるし、レンさまが気に入るし、何より私に似て可愛いじゃない?……だから実は姉妹なんじゃないか、って不安になってきて……」
「自分で可愛いって言うなよ…」
「まぁ確かに髪色は同じだな。だがあいつは男だろう?」
「あら、そうだったかしら?まぁどっちにしろ可愛いのには変わりないから…」



うっとり言うアサカを遠目にコーヒーをまた啜る。テツは正直、かなり困っていた。レンと言い、アサカと言い、かなりこの二人の相手をするのは大変だ。面倒臭さすぎるのだ。何せツッコミが追い付かない。



「アサカ、さすがに生き別れではないと思うが…」
「でも似過ぎよ…伊●くん先生に直接聞きに行きたいわ」
「やめろ」
「せめて一日私の妹になってくれないかしら、せっかくお洋服も作ったんだもの」
「いつの間に…」



と言うかどれも女子用じゃないか。ドレスやらワンピースやらセーラー服やら……。お前はコミケに行く時に夜なべしてコスプレ衣装を作るレイヤーか、と思ったがあえて口にはしなかった。





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テーマ「人外ファンタジー」
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