プラトニックな愛情



レンアイ
※ヤンデレ、闇堕ち



何もないこの部屋に僕は繋がれている。動くとガチャガチャとうるさく響く足枷は唯一あるベッドからたらりと鎖が流れ落ちた。それと同時に部屋のドアががちゃりと開いた



「アイチくん、」
「レンさ…ん…」



嬉しそうに窓も無い部屋にレンは入って来てアイチに抱き着いた。足枷がジャラ、と閑静な部屋に響いた



「アイチくんアイチくん、逢いたかったです」
「大袈裟ですよレンさん、まるで何年も逢ってなかったみたいじゃないですか…」
「だってアイチくんが此処からいなくなったら、って考えたら怖くて…」



そんな訳ないだろう、とアイチは自分の足を動かした。南京錠がベッドに幾重にもつけられてチェーンソーでも壊せないのでは、と思う位だった。それについ10分位前までは一緒だったのだ



「アイチくんがいなくなったら僕は嫌なんです。アイチくんがいないと駄目なんです」



レンの何処にこんな力があるのだろうと思う位に強く抱きしめられた。ガリッ、と首筋を噛まれた。跡をつけるなどと言う様な物ではない。傷をつけられる位に。多分血が出たのだろう、痛い、痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い

だけどレンさんには赤が似合う。レンさんは僕を傷付けるのが好きだと言ったいた。それってレンさんは僕しか見ていないんだろう、レンさんは僕が欲しくて堪らないんでしょう、寂しがり屋で僕がいないとレンさんは死んじゃうんでしょう、それってとても可愛いです



「……何を考えているんですか」



赤の瞳が、燃えるように光る瞳と合う。その表情は僕の大好きな表情だ。眉を潜めて嫉妬をするような。だから嘘をつきたくなる。もっと…もっと僕だけを見てくれればいい



「…レンさんには関係ありませんよ、ただ…そう、櫂くんのことを考えてたんですよ」
「関係ない…?櫂…?」
「ッ…!!!?」



途端に息苦しくなった。物凄い力で首を絞められているのだ。ベッドに押し付けて、ぎりぎりと音がする様な。目の前が霞む



「いい御身分ですねアイチくん。君はこの状況を分かって言ってるんですか?アイチくんは何も考えなくていい。僕だけを見ていればいいのですよ、何なら足の他に手……いや、首にでも繋げましょうか?ねぇアイチくん、ほらちゃんと返事して下さいよ?」



ギリッともっと強く力を入れられた。レンさんも馬鹿だなぁ、これじゃあ応えるにも答えられないじゃないか



「そうその顔、目、表情が好きなんです。もっと苦しんで下さいアイチくんが好きなんです愛してるんです。僕はこんなにもアイチくんを愛してるのにアイチくんはどうして何も言ってくれないんですか?愛してるんです愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる。殺したいくらいに…」



また本当に殺されてしまいそうだ。首を絞める手がゆっくりと緩くなって行く。首が痛い。レンさんの手形でもついてそうだ



「アイチくんを殺したら僕も死にます。良かったですね、また一緒にいられますよ?アイチくんだって僕を愛してるでしょう?好きで堪らないんでしょう?だから僕を拒まないのでしょう」
「………そ…んなの…」



するりと頬をなでる。上手く声が出ない。喉が痛い、足が痛い、全部痛い



「お互い様でしょう?」



そう言って今度は僕がレンさんの首に手を掛けた。同じように手に力を入れる。とは言ってもさっきのお陰で上手く手に力を入れることが出来ないが



「僕もレンさんの事、愛してますよ。殺したいほどに。だから一緒に死にましょう?」



そうですね、とレンさんは機嫌が直ったのか嬉しそうに笑って僕の口を塞いだ




「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -