ファミレスに行こう!
櫂アイ
「と、言うことでアイチと一緒に行ってこい」
放課後、櫂が帰ろうと準備をしていた所何故か三和が櫂の前で腕を組みながら仁王立ちをしていた。
「何がと言うことでだ」
「いやだってタイトルがそんな感じだから。って、じゃなくて、アイチのとこやっとテスト終わっただろ?だからそれをご苦労ーさんって事で飯でも奢ってやれよ」
そうなのだ。アイチ達はもう受験の季節。お陰で中間、期末の他にもテストがあった。なので此処最近はずっとカードキャピタルには来ていなかった。だがようやく今日で区切りが一旦ついたらしく、昨日森川がG3が出た時以上に喜んでいた。
「だからと言って何で俺が…」
「じゃあ俺がアイチと二人きりで行って来るけど?」
「仕方ない誘ってやる」
「お前まじ面倒臭い……」
素直じゃない。素直じゃなさすぎるぞ櫂トシキ。顔は正直だ。三和の提案にとてつもなく喜んでいる様子だ。
「多分アイチはまだ学校にいると思、っていねぇ!?」
忽然と姿がない。一体この30秒の間に櫂はいつ教室を出たのだろうか。だが二週間もアイチに会っていなかったのだ、我慢の限界だったのだろう。しかしこの二人は付き合っていないが。櫂→→←←アイチの割合だ
全く面倒臭いったらありゃしない
とりあえず後で櫂にメールをしてみようと思った三和だった
*****
「ほ、本当にいいの?」
「さっきから言ってるだろうが。好きなモノを選べと」
「う、うん…」
アイチとファミレスなぅ。(`・ω・´)
と密かに思った事は内緒だ。では無くてなんとか櫂は誘えた。学校に行きアイチを待ち伏せしていた。一言「飯を食べに行くぞ」と言っただけなのだがアイチはこの上ないほどに喜びに満ちた表情をして櫂の後をついて来た
「どれにしようかな…」
「何で悩んでるんだ」
「スパゲッティかオムライスなんだけど…」
「っ、」
イメージ通りで思わず櫂は笑ってしまった。アイチにぴったりだ。それを見たアイチは頬をぷくっと膨らませた
「酷いよ櫂くん、何で笑うの!」
「悪い、イメージ通りでつい…」
「うぅっ…」
赤くした頬を膨らませたままアイチは呼び出しボタンを押した。どうやら決めたようだ
「櫂くんのいじわるー!パフェも頼んじゃうんだからね!」
「ああ好きにしろ、にしてもまたイメージ通りだ。期待を裏切らないな」
「ふぇえ!?また!?」
どうやらショックを受けたようで持っていたメニューで顔を隠してしまった。そんなことをしている内に店員が来て注目を取った。結局間を取ったのかハンバーグにしたアイチにまた笑ってしまい、そして滅多に見せない表情の櫂にどきどきしたアイチは食べ終わりファミレスを出た
「お腹いっぱいー!ごちそうさまでした、なんかごめんね沢山食べちゃった……。それにお金まで…」
「俺から誘ったんだから別に構わない」
「櫂くんはやっぱり優しいね」
「さっきと言ってる事と違うが?」
「さっきと今は違うもん!」
辺りはもうすでに暗くなっていた。櫂はアイチを家まで送る
「…テスト、頑張ったな。機会があったらまた今度連れてってやる」
「ほ、本当!?じゃあ僕頑張るね!やったぁ…!」
嬉しそうにするアイチを見て櫂も思わず喜びが溢れてきた。いつも何をする時も一人だった為か、不思議な感覚だった。人といるとこんなにも温かいものなのか。ましてやそれが大事な……
「櫂くん、」
「何だ?」
「また…また来ようね。とても楽しかったよありがとう」
「ああ…。……俺も楽しかった、また来よう」