誰かのために死ぬ。友達だから意味がある。意味、理由、言い訳。親に優しくされるために取り繕う。人に愛されるために笑い尽くす。精神を磨り減らして生まれる情と、価値と、存在理由が未だに理解できない。人は馬鹿だと誰かが格好つけて笑う。意味のない意味。理由のない理由。壮絶な言葉の裏には愛情なんて存在しない。他人のための自分なぞ生きている価値はない。自分のためですら曖昧で、渇れた喉を酷使するまでもないと自嘲する。
だってすべてが可笑しいでしょ。
下らない親のために笑う私がいて、一度限りの交遊に人生をかける私もいる。自己顕示欲を剥いで真っ当に生きてもなにもかもが変哲。でもその世界に順応な人間が生きやすく、淘汰なんてされるべきではなくそもそも社会適合の暗黙のルールがある。レールの上を歩いているのと同じ。なにも変わらない。なのにそれが楽で、シンプルが好まれる。つまり私は、ややこしい方の人間だ。

死にたいの? 生きたいの? 生死を彷徨いたいの? そんなこと訊かなくても判るでしょって暗黙の了解を継ぎ接ぎで作っていって涙を流しながら体を動かして感情を上手にコントロールして人間て忙しいなって思って過大評価、自己陶酔、過敏症。夜も朝も昼も終焉。挨拶も廃止。目が合ったらそこで死刑。
愛を謳ってきっとそれでロックンロールになったつもりで脳震盪。繋ぎ目の人間性と勝ち目のない戦いをして私たちは大空を仰いで静かに死ぬのでした。おしまい。

120417.




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