雲の上を歩いているようになんだか気持ちも体もまるで軽いからおかしくて笑った。
わたしを知るあの人はわたしに理解を示したけれどあまり友好的ではなかったのでまるでぬか喜びだった。
外に一歩出ればわたしはわたしでなくなって、いや、わたしだけれどまるで仮面をその都度付け替えるように豹変する。基盤は同じなくせに違うからまるで人じゃない感覚に陥って発狂しかけた。

誰か 誰か と心で唱えてもわたしの頬を掠めるのは生温い風でしかないと判っている。時折、自分の勘が良すぎて嫌になることがあって、それらは十中八九当たるわけではないけれど、起こるかもしれない出来事を予測してピンと来てしまっては全く楽しくもないし不吉なことばかりなので、わたしはつくづくついてない女だわ、と自嘲するのがオチだ。そしてきっとあの不思議な青年もわたしを攻めこんでわたしにいい気をさせた気でいるはずだから、やっぱり、いつでもわたしが浮かばれないというオチ。物語展開が詰まらないからわたし、どうでもいいと諦めている。
きっとあの時もっとちゃんと冷静になって考えれば、とか思っても誰かに不意に打ち砕かれたんじゃあなにもかもがまた振り出しで、そんなの面倒臭くて、やめる。幸せな人生なんて幻だ、不幸せな人生が現実だ。私は過度に期待したくないから、やめる。他力本願でも、ましてや自己顕示欲の塊でさえない。まるで魂が抜けた人のように無機物になり得た私を一体誰が欲しがったりなどするんでしょう。


雲と、雪と、雨によって
晴れた心と、濡れた髪が無になった。
はたまたそれはロボットか。アンドロイドか。
夢遊したあの日が、最後だった。

120126.




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