その姿を見て、何かを思いたいんじゃなくて、ただ見ているだけ。云った言葉を聞いて、こちらも何かを伝えたいんじゃなくて、ただ聞くだけ。私はそうしたい。ただ、それだけ。
共感と共鳴と、同調と同情は似ていて、けれど根本はまるで違う。汽車と電車のように。愛と恋のように。それはまた、崩れやすくて築きやすい。だから私は度々死にたくなる。疲れただとかうんざりだとかそんな自嘲ではなくて、なんだかとても儚いものを夢見ているみたいで大切にしたいと思いすぎて死にたくなる。
他人の感情も、顔色も、夢も、理想も、姿形も真っ向から否定しても私はちょっとも浮かばれないし第一そんなことに関心が向くほど今私は休暇期間ではない。

だからつまりね、私は誰かに伝えると言うことが下手くそだからなにも言いたくない。好きです、だとか、わかります、 だとか、文字で見ただけじゃその気持ちも声色も分かるわけがない。だから死にたくなるんだ。何もかもが砕けちってしまえば私だってこんなろくでもない話しない。本当に、ろくでもない。

111129.




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テーマ「人外ファンタジー」
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