まちまちな長さのスカートを嫌いになった。腐るほど見ているからだ。気持ちが悪い。揃いも揃って醜い脚を晒すなよ、と思う私が一番醜いなんて一体全体誰が思ってくれるのかしら。

 空色のカーテンは風に煽られてまるで私とは正反対に清々しい。部屋とは対照的な私を見て誰かが「可笑しい」と嘲笑するかしら。誰かが私に「いい子はやめろ」といつ言ってくれるのかしら。いい子じゃなくてもいいんだぞ。そんな言葉じゃ足りないんです、まるで私が自覚していい子してるみたいな言い方は違うんです。私は私が気付かない間に気付かないくらいいつの間にか愛想がいいんだお前、やめたまえよそんなゲスは、と。腐った思考をむやみに食い潰して新しくきれいにしようなんて思うな、と。だって私は本当のいい子なんてわからないしこんなに私と仲良くしてくれる人がいるなんて到底思わなかったものだから接し方がわからないの。もしかしたら気付かないうちに放置しているものがあるのやもしれない。私はお守りのうまい母親じゃないのよ。宗教信者でもないのよ。神でもないのよ。なんでもできると思わないでよ。
 ああ、つまりそうか、私が動かず喋らずしていたなら平和だったのか。
 ごめんなさい、許してくれなくたって別段苦痛じゃなくってよ。だって、だってそうでしょ、笑ったって意味がない。怒ったって意味がない。感情なんてまるで皆無がいいんじゃない。相手の感情に毎回シンクロするような私が望ましいんでしょう。みんなが望む私は口煩く言う私じゃない。人形の私を好いてくれてるんでしょう。頑張って、努めますわ。
 本心も知らないでべらべらとおしゃべりはやめませんか。対して身にならない、対して重要でもないではないですか。
 若い内など騒ぐにははしゃぐには羽目を外すにはうってつけかもしれなくとも私には関係のないことです。夢はお語りなさい。叶えなさいな。けれど私を踏み台にはしないでいただきたい。

 流れてやまないものは、雨と、風と、陰気だ。進まないものを見送る時間さえも私にはないのだから雨も、風も、陰気も逃げ去って。

111117.



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