眼で観たものが、もし絶望しかなかったら、もう諦めるしかないかもしれない。目の前には混乱と鬼畜な人格の塊があって、それを尻目にわたしは大層みんなを馬鹿にしてやりたいと思うのである、実際、わたしがみんなをどう思ったところでわたしはすこしも浮かばれない。これは挑戦状である。人生はこんなにも過酷である、生き延びて見せよ、という挑戦状。それにはいくつもの条件が必要である。天秤にかけるもの、その価値、内容。平等を望む必要はない、だってどうしたって平等なんてあり得ない。誰かが勝利を勝ち取って、誰かが敗けを見る、ただそれだけなんだ。なのにそれだけにわたしは希望をかけたがって、敗けて、そうしてなにを見るんだか、わたしはなにを見たいんだかわからない。

絶望したというなら楽しみなんてない。あってはいけない。一生希望を捜してもがき苦しむ道がある。わたしは、なにを見て、なにを感じて、なにを言いたいんだろう。言いたいことがあった気がする、けれども別に言う必要が、場所が、機会がないなら口なんていらない。しゃべれないなら情報を受ける耳もいらない。呼吸だけしてればいい、と誰かが言ってくれるのを待ちたい。


わたしは誰を頼っていくの。わたしは誰を好むの。わたしはなにを知っていくの。
全部知りたいけど知りたくない。あの人のこと知りたくない。あの人きらい、あの人はわたしがきらいだからきらい。子供だと笑えば。勝手にしなよ。その代わり、もうわたしを視界から外して消え去って。

「結局誰もわたしなんて好きじゃないんだ」と、「何にもわかってないくせに勝手なこと言わないでよ」と、わたしが言うのか。それって面倒だ。大切なのは自分じゃない。相手でもない。しかしなんでもない。それが重要なんじゃない。きっと泣きわめくのはもう終わった。駄々をこねるのも終わった。弱い人だと思われたくなかった。

わたしのなにがいけませんか。
わたしのなにが気に食いませんか。
わたしのなにが気持ち悪いんですか。
答えてください。
答えてくださいよ。
じゃなきゃあわたしはあなたの首根っこ掴んで殴り飛ばす。


血も涙もないくらい

110409.



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