「死にたい」死にたいと言うよりは消えたい。だって死ぬのは痛い。痛いってことは生きてるってことです。生きてるってことは詰まり死ねなかった。死ねなかった。

私、知ってたよ、昨日私死んだみたい、ああ死にたい。君を横目に死にたい。死んだらあなたは、私をいとえるかな。私の死を悲しみで満杯にしてしまえるのかな。いやたぶん、無理。なぜならば、あなたは私なんて知らないから。

五月になれば、桜が咲く。そして病が流行る。桜を待って、私はその時に死ぬ。首をかっ切ってしまっても、手首の血管を絶っても、頭をひしゃげてもきっと同じ、ギリギリ死ねやしないのよ。私、あなたを見て死にたい。あなたを見て死んだらなんだか、すっと死ねるんじゃないかと思う。なんにも考えずに、なにも感じずに、私はただ生命を終わらせる。
生きるって詰まり死ぬことだよ。
無理を承知であんなに詰め込まれた窮屈な社会に飛び込むのは何かを成し遂げるためじゃなくて死ぬこと。死にに逝くの。それは甘い誘惑。精神崩壊までのカウントダウンを刻んで行く毎日に何かを感じて、その間までに何かをしなければとしたいことをする。犯してはならないことをわざわざするのは危機迫る状況だからなのです。私は、早めに死に迫るだけで結果は同じ。何がいけないの?無理に生きろって方が無理でしょ。だから、望んでもないのに死ぬ人があるの。そんなのは、悲観することもましてや非難するなんて持っての他。

「人は、死にたいのよ」


胸の内に靄がまとわりつくのは未練?それともはやる心?
私、あなたを見て死にたいの。あなたを最後に死にたいの。あなたに遺棄をされたいの。
急かしたってなにも変わらない。ただ、私が少し早くにこの世からなくなるだけ、それくらいは容易いことよ、長くこの世に留まるよりは幾分だって容易い。

「きっと適応力が無かったんだ、臨機応変が出来ない不器用なやつだったんだ」

きっと私はこの世に向いてなかったんだ。だからこんなにも息が荒くなってすぐに疲れた。人に向かって話すのも体力が要った。私、この世が好きではないわ。

犯罪が起きるのは、この世が憎いから、である。
強姦するのは、この世の価値をその女に求めている、のであろう。
窃盗するのは、この世に産まれるものの品定めのため、である。

私、そんな世の中に向いてなかったんだ。たぶん。



悲しみが消えない。心の黒い霧が晴れない。私、おかしい。死にたくない、いや、死にたいのです。でもあなたがいない。私の前にいない。いつも私を見守っていてくれたあなたが、今はいない。


あなたが いない







死にたいの、死にたいの。あなたを見て死にたいの。
あなたの顔を見て首を、手を、脚を、髪を、耳を切って棄てたいの。この世に向かなかった部品を棄てて、私は燃やされたいの。




私はこの世界に生まれたくなかったの。

110402.




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