泣いちゃう
だって
わたしの知らないあいつが
わたしを蔑むから
泣いちゃう

笑っちゃう
だって
空が笑えってうるさいから
わたしは笑う
笑っちゃう


あと四つ手が足りない
あと三つ足が足りない
あと二つ眼が足りない
あと一つ命が足りない

あと十日でわたしが笑うから
多分あと五つも脳は要らないんだろう

あんまりにも厭きるから、笑ってしまって参ってしまって無くなってしまって楽しくなってしまって
食べ終わった食器に残った米粒さえも中途半端に腐った野菜も元々無かったマグカップも
母親のヒステリックな精神と父親の筋金入りの断固たる頑固さと兄の人を身丈で既に馬鹿にする軽率さと妹の末っ子だからと甘えが出た容赦ない仕打ちを、ただわたしは忘れられない
全部があと少しずつ無くなれば、わたしはうるさく言われなくても笑えるんだろう

011108.



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