※平和島静雄から学ぶヲタ芸講座と同じ設定。アイドルオタ静雄×アイドル臨也(芸名甘楽で男)


サディスティック仕置きモード


憧れの甘楽ちゃんが、俺の部屋にいる。
みんなに笑顔を振りまいてた甘楽ちゃんが、俺の部屋に。
両手をひと纏めにして頭上で縛り上げ、脚は大きく開かれてその間に俺が座っている。

いつもの妄想とは違う生々しい甘楽の動きにごくりと唾を飲み込んだ。
かつてないほどの興奮で心臓が煩いくらいに鼓動を刻んでいる。

「こ、こんなことされて許されないんだからね…」

まるで昼メロドラマのような台詞を吐いたその口の端は血が滲んでいた。
せっかくかわいい顔なのに台無しだ、と思ったがその傷を付けたのも自分自身だ。
そのことを考えるとちょっとした優越感が湧き出て口角が少しばかり引き上がる。


───すべて甘楽ちゃんが悪い。
───すべてを甘楽ちゃんに捧げてきたというのに。
男とは思えない中性的な顔立ちでデビュー当時から地下アイドル界隈を賑わし、今やテレビでも引っ張りだこ、それが甘楽だった。
女性よりも熱狂的な男性ファンが多いのも特徴的で、その中でも初期の頃から応援していたのに。


平日は甘楽ちゃんのイベントやライブの為に資金稼ぎに働いた。
土日はイベント、握手会、ライブ。

チケットは何が何でも最前列を取る。
出演をチェックするために大型のテレビを購入し、ライブDVDを楽しむために立体音響の設備まで整えた。

それなのに裏切ったんだ。

「なんだよあの番組」

「いや、あのそれはお芝居で!」

「芝居だかなんだかわかんねーけど、大切な大切なファンを裏切ったってことくらいわかってるよなぁ?」


怒りの原因はキスシーンだった。
実際には唇が重なったように撮影しているだけで、顔を近づけただけなのだがそんなことは知らない。

「ね、ファン、なんだよね君…?昔からよく来てくれてたの覚えてるよ!」

「ああ、そうだろうな」

「ならこんなことはやめなよ!わかる?俺…甘楽ちゃんに嫌われちゃうんだよ?」

ね、ほら今なら許してあげる。とひきつりながらもにこやかに甘楽ちゃんが笑えば、それにつられたかのように笑う。

「…嫌う?嫌うもなにもねーよ。これからは甘楽ちゃんを管理すんのは俺だ」

笑ったまま甘楽ちゃんの細い腕をつかみ、軽く力を入れる。一般人ならそれともない動作だが俺がすれば骨がミシりと悲鳴をあげ、目を見開いたまま声を出すこともできないようだった。
しばらく固まった後に、小さく息を吐いてさっさと事が終わるようにと諦めたように目を閉じた。

甘楽ちゃんが俺に身をゆだねているこの事実が何よりも己を高ぶらせる。脱がせるのもまどろっこしくて身につけている服を素手で破いた。

「すげ…」
「や、だ…見るな…」

やはり、というのもおかしな話だが甘楽ちゃんにも俺と同じものがついていた。
こんな可愛らしい顔立ちなのに…。
甘楽ちゃんにペニスなどあってはいけない。甘楽ちゃんはアイドルなのだから。

「甘楽ちゃんはそんなかわいい顔してんのに変態なんだな」

「なにが、だよ…っ」

「オナニーのしすぎてクリトリスこんなデカくなっちまったんだろ?」

違う、意味が分からないと繰り返し呟きながら顔を左右に振りながら屈辱と羞恥に顔が歪む。
自慰のしすぎがバレたのがそんなにも恥ずかしかったのだろうか。俺はそんな甘楽ちゃんでも受け止めてみせるというのに。

まだ柔らかく皮に被ったままのそこを片手で掴み、先端を露出させれば多少他より色が濃い丸い肉が現れた。

「甘楽ちゃんのクリトリスは包茎か…」

「俺は男だって!幻想なんだよ甘楽なんて!…もう、さっさと突っ込んで終わらせろよ…」

ひとしきり叫んだところで後半は消え入るようにぽつりと漏らした。
何を言っているのかわからない。甘楽ちゃんは甘楽ちゃんであって、それ以外の何者でもない。
男でも女でもないアイドルという人種なのに。

「…甘楽ちゃんは甘楽ちゃんだ」
「ひ、ぃぎ…ッ!」

それを掴む手に力を加えてやればパクパクと餌を求める金魚のように口を開閉する。

「俺が甘楽ちゃんは甘楽ちゃんだって言ったらその通りなんだよ。これはクリトリス。甘楽ちゃんにちんぽなんか生えないんだ」

「あ、あ、わか…わかったから!」

「わかったんだよな?甘楽ちゃんはちょっとオナニーが大好きでクリトリスが腫れ上がっただけ。そうだろ?」

脅すように握りながら剥き出しになった先端へ爪を立てて目を細めて顔を覗き込む。
涙で目元は真っ赤に晴れ上がっていた。
それでもやっぱり甘楽ちゃんは可愛らしい。

「わか、わかりまし、た」

「甘楽ちゃんはもの覚えが早いな」子どもをあやすように髪の毛をくしゃりと撫で、握っていた手を緩めて解放すれば握りつぶされずに済んだことに安堵してため息をついた。

それでも強すぎる痛みだったはずのそれに緩くだが反応を見せていることに気が付く。


やっぱり甘楽ちゃんにはお仕置きが必要だ。




100904 更新

続いた
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -