※定造ショタ也注意



それは誰にもないしょ。

秘密の遊び。


ひとりでできるもん!


今日は学校が早く終わった。
学校の友達はあまりにも子どもすぎて遊ぶことをほとんどしない。
臨也はそういう子どもだった。

うるさい妹達はまだ保育園だし、両親は共働きだ。
いつもは見ない、知らないテレビ番組をぼーっと見つめる。

ドラマなんて普段はあまり見ないが、チャンネルを変える作業も今日はなんとなくめんどくさかった。

まぶたが重い。
テレビの方へ顔を向けたままテーブルへ片頬をペタリとつけると、いつのまにかゆっくりと視界が狭くなる。


このまま昼寝なんかしたらまた子ども扱いされるだろう。


妹達や親にバカにされることを想像すると、いやまだ起きていなければと意地を張って手の甲でまぶたを擦る。
人に弱みを握られるのは大嫌いだ。


そうしてテレビへ目線をやると、いつのまにかドラマの中の男女は抱きしめあって唇と唇をぶつけ合っていた。


「これ、見ちゃいけないやつ…」


いくらなんでもキスシーンくらい知っている。
しかし自分が知っているチュッと音を立てて唇を合わせるそれとは全く異なるそれを、テレビの二人はしていた。

ひとりで見ているにも関わらずバツが悪くなってリモコンに手を伸ばすが、ボタンを押すには至らない。

大人が隠す、見てはいけないそれをみたいという欲求がその指を引き止めていた。
元々知りたいという欲求は誰よりも強い。

まだ妹達が帰ってくるまでには十分に時間があることを確認すると、すぐにテレビを消せるようにリモコンを固く握り締めて見入った。


激しく合わされる唇
たわわな胸を掴む男の指
好きだ、愛してると繰り返す声

初めて見るそれは一体何をしているのかはわからない。
食い入るように見るそれはあっと言うまに終わってしまい、気づけばベッドの中でタバコを吸う男に女が寄り添っているだけの映像になってしまった。
それでもリモコンを握る手に汗をかきながら瞬きすら忘れて見入る。

「…すごい」

乾いたのどから声が漏れるまで時間がかかった。それほどまでに体が熱い。

エンドロールが流れていき、バラエティーの再放送が始まればもう用はない。
今度は躊躇なく電源のボタンを押して後ろに倒れるように寝転んだ。

初めての火照った熱をどうしたら良いのかわからないのか、ごろごろと転がる。

「ん、…!」

唐突に今まで知らない気持ちよさが体を走った。
ゆっくりとそこへ手を伸ばす。ハーフパンツの上からそれを遠慮がちに撫でてみると同じように腰にまで走る気持ちよさ。

病気なのかもしれない。

急に怖くなってズボンと下着を膝まで下ろして、毛も生え揃わないペニスを取り出した。

「病気、かな…」

見慣れた筈のそれはいつもと形を変え、重力に逆らって天井を向いている。
先端からは他より赤みを帯びた丸い肉が顔を出していた。

腫れ物を触るようにゆっくり指をそこに触れるとさっきよりも腰の奥がスクズクと疼いた。

「ぁ、はぁ…ん」

そろそろとなぞるように触るだけで腰がビクビクと揺れる。
怪我や腫れ物には触ってはいけないとは知っていても忘れたふりをした。

だんだんと力を強めて揉むように指を動かす。
さっきよりも更に硬さを増していた。
やってはいけないという背徳感と気持ちよさを覚えながら腰を浮かして手を動かし続ける。




「あ、なんか、でる…おしっこ、でる!でる!」


玉からせり上がる射精感を臨也はまだ知らない。
排尿感と勘違いするのも無理はない。

でたらいけないと顔を左右に大きく振りながら手は止まらなかった。

「でちゃ、うあ!あ!…でる、ぅっ!」

ぎゅっと目を瞑ると、水を失った魚のようにビクンビクンと跳ねながら尿ではない白い液体が溢れた。

「ぁ、は…っは…」

ゆっくりと目を開きながら頬を真っ赤に染めて味わったことのない脱力感に身を任せる。

漏らしてしまったということも一瞬は頭の中から消えていたのだが、ねちゃりとした手に感じる不快感に体を起こした。

尿を漏らしたのではないようで大きく安堵の息を吐くとティッシュでベトついたそれを拭う。
先ほどまで硬く腫れていたペニスもいつも通りだった。

膿を出したから元に戻ったのだろうか。
それでもこんなところを触って気持ちよくなったなんて誰にも言えない。


遠くから母親と会話する妹達の甲高い声が聞こえてきた。
急いでズボンを履いて寝たふりを決め込む。


内心はドキドキと心臓を弾ませながらも自分に寝ていると暗示をかける。

「こんなところで昼寝なんてまだ子どもなのね」

いつもならムッとする母親の声と妹達の無邪気な笑い声にもホッと心をなでおろした。
今日のこれが一体何なのかを突き止めようと決心しながら。



100722 更新
オナニー(0721)の日コラボ

イラスト:居奈
文章:かしゅ
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