※マスター静雄×サイケ臨也(ボカロ)。一人上手
サイケデリックの暴走
一目惚れ、というのかそれとも一耳惚れなんて言うのだろうか。
その音を聞いた時、全てが変わった。
購入してから毎日試行錯誤を重ねて音色を奏でさせた。
愛しくて愛しくて、愛おしすぎて、
酷使しすぎたプログラム。
音を奏でるのがそのプログラムだったはずが。
…ついに、壊れた。
「マスター、ねぇ、みて俺こんなぐちょぐちょになってる」
モニタ越しにサイケは妖艶に微笑んだ。
いつも耳に当てられているピンクのヘッドホンはずり落ちて首に落ち、そのコードは白い太ももに絡みつく。
ピンク色に色づいたペニスからはとめどなく透明な先走りの汁が溢れている。
同じ男のペニスだと言うのにゴツゴツしておらず、皮からつるんとした丸い先端を覗かせた見目は逆に欲を誘った。
真っ白な肌に浮かぶまたもピンク色をした乳首には指が添えられ、引っ掻くように愛撫を繰り返した。
「見てよぉ、気持ちいいんだよぉ…ぁあっ!ここ、すごいぃ…ッ!」
音色を奏でるはずの口からは卑猥な言葉と喘ぎ声だけが漏れる。
こんなサイケを、俺は知らない。
確かにサイケを愛おしいと思ってはいた。
しかし違う。そんな風にサイケをみたことは一度だってなかった。
それでもサイケから目を逸らせない。
俺のペニスは勃ちあがって服を押し上げている。
「ひ、んぁあ!マスター、もっ!いっしょにぃ…!」
ピンク色の瞳はいつも以上に色濃く、俺を捕らえた。
サイケの白い手は小さいのに主張している乳首を痛いくらいに引っ張りながら、もう片手でペニスを扱く。
上下させる度にくぷりくぷりと透明な液が溢れ、玉を伝い、尻の形に添ってこぼれ落ちる。
雫がつぼまっているアナルに触れれば大きく体が跳ねた。
その扇状的な光景に思わず息をのんで、さらにペニスが膨れた。
もう我慢なんてできなかった。ベルトを抜き去り、ズボンと下着を一気におろした。
画面にいるサイケのペニスとは違い、血管を浮かび上がらせカリが張り出したペニスは腹にはりつくほどに勃起していた。
「マスター、俺いっちゃう、いっちゃうよぉ!ひ、ぁああああっ」
ごしごしと未熟なペニスを扱けばあっというまにサイケは達してしまった。
それでも残滓まで搾り取ろうと扱きたて、ピンク色のぺニスは白にまみれた。
頬もピンク色に染まり、とろけきった表情で口の端からは唾液が垂れている。
「ますた、ぁ…こっち、みて?」
息を整えることもままならないまま、白く汚れた指をひくひくと収縮を繰り返す尻の穴へ埋めた。
アナルの縁もピンク色に色づいて指をもっと飲み込みたいというように蠢いている。
淫靡、という言葉がぴったりだ。
部屋に響くのは俺の獣じみた息づかいと、ペニスを扱く音、スピーカーから聞こえるサイケの声。
「…は、俺のここ、入れたい?」
くぱぁ、と音がしてアナルを二本の指が開く。
そこはまるで排泄するための器官ではなく女性器のように潤っていた。
その穴に、突き入れたい。
届くはずもないモニターに手を伸ばす。
「……でも、マスターはこっちに来られないんだよね…」
刹那、今までの淫靡な表情から一変して泣きそうに笑った。
その変化に戸惑う間もなくすぐ溶けきった表情に戻り、指の抜き差しが再開される。
愛液のようなものが泡立って白くなって指を伝う。
それにあわせてラストスパートをかけるように扱いた。
「ます、た…!いっしょに…!イッてぇ!」
いつの間にか尻には三本の指が抜き差しされ、赤に近くなる程腫れた乳首を引っ掻いている。
触れていないペニスも限界寸前に腫れ上がり、もう射精を迎えそうだ。
でもそれは俺も同じで。
「ますたぁ、ますた、あ!あ!いく!いっちゃうよぉぉお!」
一層甲高い声が耳に届くと射精感に耐えられなくなり、目を固く閉じて俺も射精した。
「はぁ、は…は…さい、け?」
ドロリとした体液が指にまとわりついた。
射精後のだるさに襲われてゆっくりと目をあける。
そこに広がる、青い画面。
「サイケ…?サイケ!おいサイケ!」
がたがたとモニターを揺すっても返事は返ってこない。
粘つく右手にイライラしてティッシュを適当に掴んで指をこすりつけて適当に投げた。
何度読んでも、再起動を繰り返しても、青い画面のまま。
サイケにいつの間にか恋をしていたことに、いま気づいたって遅い。
愛おしいといってもそんな感情を抱いていたなんて。
ただのソフトに恋をしたなんて笑い話だ。
ほんとにバカだ。
何も伝られないなんて。
『また、ね』
ふと部屋に響く声、間違えるはずがない。サイケの声。
パソコンは青い画面のまま変わらない。
それでもサイケは最後に声をくれた。
「また、会えるよな。サイケ」
三日後に届いた宛先不明の宅配便に
俺はただ驚くこととなるが、それはまた別の話。
100706 更新
青い画面=ブルースクリーン
もしかしたらつづくかも?