「なんだ、その、先生って…」

照れてるんだか少し頬を掻きながら目線をさまよわせる。

なんなんだ。なにも知らないでここに連れてこられたのだろうか
態度は最低でも、煙草をに添えられる長い指に少しだけ興奮した。
若い客は久し振りだし、こういう好みの客もめったに現れるものではない。


空いている手にそっと自分の指を絡めた。自分とは違う他人の熱にドキリとしたのも、本当に久し振りだ。

楽しめるだけ楽しんだ方が得策だろう。

「一応学園系イメクラだからさ、ウチ。お客さんは先生、俺は生徒っていう設定なんだよね」


だから、とゆっくり密着度をあげて媚びるように見上げる。
こういうの好きでしょ?
伊達に一年ここに勤めてるわけじゃないんだよ。

「あ、あの、よくわかんないんで、普通に…」


「…は?」

「いや、だから普通で」

表情が凍った、というか素になった。
今まで仕事をこなしてきて素になったのは片手で数える程度だというのに。

今まで普通なんて注文を受けていなかったから、なにをもって普通なのかなど漠然としすぎている。いやそれ以上に今までの態度は何だったのかと思うほどにもじもじとしているというか、どうしたらいいかわからないというような表情をしていたのが意外すぎた。


「え、と…普通って、んー…とりあえず風呂いきましょうか」

「普通は風呂なのか最初は」

なんだ、こういうところの経験がないのか。それでいまいち勝手がわかってないんだな。可愛いじゃないか。
普段こなれているオジサンばかりが相手なので、やはり初々しい反応は面白い。

そうですよー。なんて適当に相槌を打ちながら手慣れた手つきでパッパッと服を脱いだ。

チラリと後ろを向けば背を向けた彼が下着を脱ごうか脱ぐまいかオロオロしていて、やっぱりかわいいなあなんて口の端がつり上がる。

イソジンと消毒液のボトルを置くとその背中に抱きついた。
体温が高いのは元からなのか、それとも興奮してるからなのか。

「手伝いましょうか」

「う…ぁ…」

下着越しにゆるり、と手を滑らせて何度か指を往復させる。
反応しかけているソレは、今まで相手にしてきた客の比ではなかった。
すご、こんなおっきいの見たことない…



100513 更新
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