60前後の女性がどこかの座敷に座っている。

彼女の前には3組の死体が、布を被って横たわっていた。
真ん中の死体を彼女は愛おしげに見つめている。

私は家族と一緒にお悔やみを言いに来ている。
座敷に入ると、妹が顔をしかめて臭い、と言う。
私には感じられなかったが、嫌なにおいがするのだと言う。

父が大変でしたなと言う。
女性が真ん中の骨を指して、これは私の母なのです、と言った。

私はおかしい、噛み合っていない、この人はおかしいのだ、と思った。

女性が、母を見ますか?と言った。私たちが答える前に、彼女は布を取り払った。
死体は腐っていて、所々緑色だった。
私は後退りをして座敷から出た。苦しい。

女性は母さん、といいながら死体の股ぐらに顔を近付けて、死体の膣に指を入れた。
息が苦しい。
父が怒鳴る。母や弟妹は呆然としている。

息が出来ない。苦しい。心臓が酷く五月蝿い。

父の怒号、弟と妹の泣き声、母は絶句している。

苦しいくらい心臓が鳴る。