廃工場のような場所にいる。

私(のようなもの)が出て来るのだが私の意識はそこにはなく、まるでゲームか何かを見ているような感覚。

廃工場に入ると壁や床や天井が濁ったような紫で、へどろのような空気が流れている。


突然大きな音がしたかと思うと、壁を突き破って紫色で一つ目の、のっぺりとした怪物が現れた。足の付いた巨大な蛭のような見た目。

逃げなければならないと思い、逃げる。
怪物は追ってくる。

足場は悪かったが工場の中は存外広く、私は奥の方へ逃げる。

しばらく走ると開けた場所に出る。
黄色い液体が波打っていて、これは硫酸の海なのだ、と何故か思った。

怪物は私を飛び越えて硫酸の海に突っ込む。苦しんでいるようだった。
私は来た方向へ逃げる。怪物の絶叫が響いている。

廃工場から出ると、怪物が廃工場の屋根から飛び降りて来た。
硫酸がぼたぼたと流れて、皮膚がずるりと剥けて濃緑色の肉が見えていた。

逃げられない。助けてほしいと思った。