また町でプリズナーさんに会った。



「こんにちは」
「お前か。今日もソニックちゃんは一緒じゃないのか?」
「一緒じゃないです」


肩を落としてガッカリしてる。少し可哀想。
何か声をかけようとしたら、ポケットから紙を取り出して見始めた。


「ふぅ。最近姿を見ていないな。元気にはしてるんだろうが…やはり不安だ」
「? その紙は何ですか?」

背の高いプリズナーさんが見てる紙。私からは白い裏側しか見えない。


「これか?」

 

ホラ、と私にも見える高さに降ろされた紙には、よく見知った人物が写っていた。



「ソニックさん…」



白と黒でシマシマの服。レンズから逸らした目。
いつものキリッとした表情とはまた別のソニックさんがそこには写っていた。


「写真のソニックさん、初めて見ました」
「そうだろう。ソニックちゃん監獄ver。貴重なレア写真だ」


ニッと笑うプリズナーさんは何だか誇らしげで、少し羨ましく感じた。



「写真があればいつでも好きな時にソニックちゃんが見れるからな」
「好きな時に…」
「お前もソニックちゃんのベストショットを持っているだろう?俺も見せたんだ。お前のソニックちゃんも見せてみろ」
「…ないです」
「なんだと?」
「私はソニックさんの写真、持ってないです…」


あれ、なんか悔しい。

そういえば今までソニックさんを写真に撮るなんて考えた事なかったな。


「嘘は言ってないようだな」
「………」
「無ければ、手に入れるまでだ」


両手の親指と人差し指で四角を作ったプリズナーさんが言う。四角の奥に力強い瞳が見える。


「お前も忍者なんだろ?ソニックちゃんの写真を撮るくらい容易いはずだ」
「…!ハイ!私やってみます!」


私も指で四角を作って、それをカメラに見立てて覗き込む。四角越しにプリズナーさんが見えた。
ありがとうプリズナーさん。私頑張ります。



「フ… いい眼だ。行け小娘!お前だけのソニックちゃんのベストショットを手に入れるんだ!」
「ハイ!」







写真。写真。ソニックさんの写真。


写真って言ってもカメラは持ってないし。
あっ全然使ってない携帯電話。そういえばこれにカメラ機能がついてたはず。
紙の写真とは少し違うけど、これでソニックさんを撮れるかも。


よーし、頑張ろう。





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