最近ソニックさんの元気がない。またサイタマという人に負けてしまったのだろうか。
今も俯いて険しい顔をしている。
「ソニックさん」
「なん……!?」
両頬に手をあててグイッと顔を持ち上げた。驚いた顔をしているソニックさんとまっすぐ目が合う。
「元気だしてください」
今日初めてまともに顔を見れた気がする。なんだか嬉しい。ソニックさんを励ましたかった気持ちも嘘じゃないけど、一番は私がソニックさんをしっかり見たかったから。こんな勝手な理由で触れたりして、怒るだろうか。
ジッと見つめてたら、耳まで赤くなったソニックさんに手を振り払われた。
「お、俺がいつ落ち込んだ!」
「落ち込んでないですか?」
「当たり前だ」
「本当に?」
「…本当だ。さっさと修行の続きをやるぞ」
あ、さっきより背筋が伸びた気がする。
良かった。
まだ赤い横顔を見ながら笑みがこぼれた。
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