いつものようになまえの部屋に侵入すると、楽しそうに何かを一心に眺めている様子が目に入った。



「なまえ何をしている」

「見て、スノードーム。友達から貰ったの。キレイでしょ」


透明なガラスの中に水が入っているのか。キラキラした物がフワフワと人形に降り積もっている。 


「ほんとキレイ。いいなぁ、私も中に入りたい」
「丁度雪が降ってたぞ。外に出て埋もれてこい」
「もう!そうじゃなくて!」
「だいたいお前がスノードームの中に入っても綺麗じゃないだろう」

ムカッ

「可愛らしい人形が中に入っているから癒やされるんだ。お前だと見るだけで不愉快に…」
「失礼ね!じゃあ帰んなさいよ!」


手元のクッションを投げつけてきたが俺にそんな攻撃は効かない。
クナイを構えた。


「えぇっちょっと…」
 

スパッ


「きゃあああ枕が!!」



クッションの中身は羽毛だったのか。真っ二つにした瞬間、中の羽が大量に舞ってふわふわと部屋中に落ちてきた。


「………」
「すごい」


予想しなかったあまりの光景に思わず二人で見とれる。



「スノードームみたい」





ふわふわ舞い落ちる羽に紛れて楽しそうに笑うなまえの姿に一瞬見とれてしまった事は、口が裂けても言えない。




















「ゲホッ最初はテンション上がったけど繊維っぽいのが鼻にくる…」
「どうするんだコレ。部屋中が羽まみれだぞ」
「目と喉もヤバい…。ソニックがクッションなんて切るから。責任もって片付けてよね」
「お前だって羽をまき散らして遊んでただろ」

 


楽しさから一転、部屋の酷い有り様に途方にくれた。




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