「ソニックさん」
「…………」
「ソニックさん」
「何だ」
「眠れなくないですか?」
「…そんな事はない。どうした?」
「月明かりが、眩しいです」
「…………」
カーテンの隙間から月明かりが漏れてくる。目を閉じていても少し眩しい。
きっと外にはとても綺麗な月が浮かんでいるんでしょう。
一度眩しいのが気になったら眠れなくなってしまう。
頑張って眠ろうと何回も寝返りをうつけど、やっぱり瞼の奥にはぼんやりとした明るさが届いてくる。
布団を頭からかぶったら暗くなるけど、今度は息が苦しい。
隣にいるソニックさんは平気なんだろうか。私がごそごそ動くから、それが煩くて眠れないかもしれない。
今話しかけたせいで起こしてしまったのかも。
なんだか全てが申し訳ない。
もう一度寝返りをうったとき、後ろから伸びてきた大きな手が私の目にあてがわれた。一瞬で瞼の奥が暗闇になる。
暗くなった…とぼんやり考えていたら、そのまま後ろに引き寄せられた。背中にソニックさんの体がぴったりくっつく。
「あの…」
「黙って寝ろ」
すぐ近くでソニックさんの匂いがする。心臓の音も。
「ソニックさん」
返事はなくて、かわりに体に回された腕の力が強くなった。
ソニックさんの触れている部分が暖かくて心地よい。少しずつ頭の中がふわふわして、眠たくなってきた。
ソニックさんはもう寝ただろうか。私も寝れそうです。
後ろに体を預けて、深く息をはいた。