「どうしたの?それ」
「俺と飲め」


いきなり窓から入ってくるのはいつもの事だけど、酒瓶を持って真剣な表情をしているから驚いた。
なんで急にお酒?


「私昨日飲んだばっかだし」
って話も聞かずにテーブルの前にドカッと座っている。ソニックの前に置かれた瓶が光を反射してキラリと光った。


ソニックはいつもと雰囲気が違うし、断って引き下がる感じの人じゃないし。

観念するしかない…

少しだけだからね、とグラスを2つ用意した。




「なまえ、俺が注いでやる」
「ほんとに今日はどうしたの?私もソニックに注いであげる」


カンパーイ!とグラスをぶつけて何も知らず笑っているなまえを見て思いを巡らす。


昨日は酒の力となまえのいつもと違う雰囲気により撤退を余儀なくされた。が、その後俺は考えた。
俺もなまえと飲む、酔って俺にもたれかかるなまえ、可愛い、大満足!と。


なまえが酒を口に含んだのを見届けて、俺もグラスを傾ける。
さぁなまえ!俺にあられもない姿を見せろ!



「あっ美味しい!これ美味しいよソニック!どこで手に入れたのー!?」

「…………」


「…ソニック?
えー!?潰れてる!?ちょっと、大丈夫!?」


寝てるし。
ゆさゆさと身体を揺すっても、んー、と甘ったるい声を出されるだけ。


白い肌がほんのり赤くなってて、なんか、女の子みたいっていうか、
早!早いよぉ!まだコップ半分くらいじゃない…自分から誘っといてまさかこんな…

もしかして自分でも自分がお酒に弱いって気づいてなかったんじゃ…。ソニック普段はキリッとしてるけど、少しボケボケした所があるからありえなくはない。

そしてどうしよう。このまま放置するわけにもいかないし。








「ソニック頑張って!私のベッド使っていいから!」
「んん…ここでいい…」
「ダメ!」


あぁ重い。
無理矢理たたき起こして、よろよろふらふら千鳥足のソニックの肩を支えて寝室まで歩く。寝室ってこんなに遠かったっけ?どうにか辿り着いてソニックをベッドに押し込んだ。


「疲れたー!」


重かった。いくらソニックが細くても背の高い男の人の体重を支えるのはキツい。

肝心のソニックはというと、うつ伏せに布団に潜り込んで枕に頬擦りするように眠ってしまった。


ひと仕事終えた気分。額の汗を拭って深く息を吐く。



改めてよーく顔を見たら、やっぱりすごく綺麗で少し悔しくなった。
新しく知ったのは、お酒に弱いことと、寝顔がすごく可愛いこと。
私のベッドを占拠してスヤスヤ眠っているソニックにおやすみを言って、一人で軽く飲み直すことにした。







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