なまえと一緒に歩いていると、前方から見覚えあるハゲ頭が歩いてきた。


「あいつは…」
「どうしました?」
「いや…」



いつもなら勝負を仕掛ける所だが、今日はなまえがいる。事ある毎に色々失敗するなまえとあのサイタマを引き合わせていいのだろうか。やはり面倒な事になりかねない。帰ろう。



「よっ。パニック」
「音速のソニックだ!!!!!」
「そうだっけ?悪ぃ」



なっ!向こうから声を掛けてきやがった!しかも名前を間違えられただと…!?




「ふふっ」


「今笑ったか?」
「す…すみまひぇ…ひゃーー」


右手でなまえの両頬をギュッと掴む。ジタバタ抵抗する姿がなんとも無様だ。



「お、おい、あんまイジメんなよ。そいつお前の妹か?」
「フン。こんなのろま女と俺の血が繋がっているわけないだろう」
「ふーん」


痛い…と両頬をさすっているなまえを横目で見る。
なんとなくだが、なまえをあまりサイタマに見せたくないのだ。不自然にならない動きでなまえとサイタマの間に立つ。



「戦いに来たのか?」
「フン。そうしてやりたいが今日は忙しい。見逃してやろう」
「そっか。………デート?」
「なっ!!違う!!!」



いきなり何を言い出すんだコイツは!確かに俺となまえは一緒にいる事が多いがしかし。
端から見るとやはりそのような関係に見えるのか?俺となまえが…。まぁ、悪くは…




「………」


突然サイタマがペコリと頭を下げた。いきなりなんだ?

振り返ると、なまえが俺の後ろから顔を出してサイタマと見つめ合っている。


俺の目を盗んで何勝手に会釈をしてるんだこいつらは…!そのうえアイコンタクトまで!



「なまえ!!なぜ俺の後ろにいない!?」
「えぇっごめんなさい…。挨拶したほうがいいと思って…」
「お前はサイタマと関わるな」
「でも…」
「何だその顔は。何が言いたい」





「…その、プリズナーさん以外にも友達がいたんですね」



??



プリズナー?



…プリズナー!!!



「友達じゃない!どこかで奴と会ったのか!?」
「こないだ町で」
「なぜお前とプリズナーが…何を話した?」
「えっ、とくになにも」
「本当か」
「…本当です」

「嘘をつくと…」



また両頬をムギュッと掴みあげる。


「ひゃあぁー本当でふ」
「言え!俺の何を話した!!」






「仲良いなこいつら」



イチャイチャすんなら家でやれよ!
マジシリーズをくらわせてやろうか本気で悩んだ。




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