「痛っ」
「どうした?」
「切ったみたい…」


二人で座って手裏剣のお手入れをしていたら、指先をスパッとやってしまった。血が溢れてくる。

ソニックさんを見たらすごく呆れた顔をしてて、ぎこちなく視線を外す。
なんでいつもこんな素人的なミスをしてしまうんだろう。
指を口に含んだら鉄の味が広がった。





「と 止まらない」



けっこう深く切れたのか、血は流れ続けて口の中を汚す。これでは手裏剣の作業に戻れない。
仕方ないなといった様子でソニックさんが立ち上がった。


「絆創膏どこだ?あるんだろ?よく貼ってるし」
「よく貼ってなんか…あ、そこの棚に」


ガサゴソと一枚取り出して戻ってきて、私の前で絆創膏の紙を剥いていく。



「貼るぞ。指出せ」



咄嗟に自分でできると言えなくてそのまま指を差し出した。

丁寧に傷口に絆創膏が貼られていく様子をジッと見ていたら、その先にソニックさんの真剣な顔がある事に気づいた。ため息が出そうになるほど綺麗でぼんやり眺める。



貼り終わったのか、ソニックさんも私の顔を見てきたからしっかり目が合ってしまった。



「………」
「…………」
「何見てんだよ…」
「ごめんなさい…」



二人同時に顔を逸らす。
そっとソニックさんの横顔を見たら、耳のほうまで少し赤くなっていた。
私の顔もたぶん同じように。

あぁ、この空気どうしよう。


二人で真っ赤になりながら手裏剣のお手入れを再開した。





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