3話(1/3)

「アンタがアネモネっつーの?」
「は、はあ…?」
「ちょっと来てくれる?」


どうして私は後輩に呼び出されなくちゃならないのだろうか。いやそれよりも先輩に対する態度がなってなさすぎじゃない?最近の若者みんなこんな感じなの?生意気もいい所でしょうわー引っ叩きたい。

いやまあどうせサボかエースのことで呼び出されてるんだろうけど。今月に入ってもう何度目なのだろうか…。この間は他校の女子高生、その前は二人と同じ大学の人達、その少し前は元カノさん達。本当に勘弁してください。

私はただの幼馴染であって別に付き合ってるとかそういうんじゃないしあなた達の恋路を邪魔しようとか別にそんなつもりじゃないんですけど。ていうかそんなことしてるつもりすらないんですけど!


「ぶっちゃけ聞くけど、アンタエース先輩とはどんな関係なわけ?」
「サボ先輩ともよく一緒にいるよね?何なの?」
「いや…どんな関係も何もただの幼馴染なんですけど……」
「ルフィともなんか仲良さげにしてるよね〜?」
「この子ルフィのこと好きなのにルフィがアネモネアネモネっていつも言うから近付こうにも近付けないんだよ?!」


エースとサボのはさておきルフィのは何なの?私すごい関係なくない?むしろルフィの問題なんじゃない?ていうかルフィは普通に話しかければ仲良くなれるし別にそんな気にしなくていいのに。


「とりあえずエース先輩とサボ先輩とルフィに近付くのやめてもらえない?すっごい邪魔なんだよね」
「幼馴染だからって調子乗らないでくれる?」
「大して可愛くもないくせに〜。幼馴染だから構ってもらえるってそろそろ気付いた方がいいですよセ、ン、パ、イ」


う、うざい…!!!果てしなくうざい!
ていうか顔は関係ないでしょうが、顔は!ああもうめんどくさい…早めに帰りたいのに!今日はあの大人気モデルペローナがシッケアールデパートに来るっていうから急いで行こうと思ったのに!もう何でこんなめんどくさいことになってるの…?!

はあとため息をつけば何ため息ついてんだよ!って金切り声で叫ばれて俗に言う足ドンをされた。う、うわあ帰り道塞がれたよ参った。


「…あー、分かった分かった。もうエースとサボとルフィとは極力話しないようにするから。ね?とりあえず帰らせてくれる?」
「はあ?何か全然信じられないんだけど。年下だからって私達のことナメてるわけ?」
「いやそういうわけじゃ…(やだもう果てしなく面倒くさい)」


どうしてこう血の気が多いのか?!私を取り囲む後輩達はみんな鼻息荒くして睨みつけてくる。私が一体何をしたというのだろうか。ただ普通に話をしてるだけだし、大体エースとは殆ど顔を合わせることなんてないし、サボだってこの間久しぶりに一緒にいただけだし、ルフィは…まあ…よく遊ぶけど学校では接触しないようにはしてるつもり。ルフィに関してはまあごめんごめんって感じだけどエースとサボに関しては本当に分からない。解せぬ、解せぬぞォ!


「……ていうか、エースもサボも、こんな呼び出しとかして陰湿なことする女の子嫌いだと思うけど」
「ッ、はあ?!」
「私のことなんか気にしないで目いっぱいアピールすればいいじゃん。そんなに気にする必要ある?」


そう言えばみんな顔を真っ赤にする。この言葉は今まで呼び出された人に言えばすっごい効果適面!ワナワナ震えて今にも掴みかかってきそうな雰囲気を纏ってる。大抵はこのあと叩かれてみんな行くよっで去っていく。叩かれるのは痛いけどもうさっさと帰りたい。ペローナが私を待ってる。(待ってない)


「アンタが邪魔だから!エース先輩とサボ先輩と絡んだりすることできないの!分かる?!!」
「あ、つけまズレてる」
「〜〜ッ!!!」


やばい。今のは最高にミスったと思う。今のは完全に余計な一言だった。やばい。やばいやばいやばい。どうして心の中でとどめておくことができなかった私?!

やばいよめっちゃ怒ってるよいや当たり前なんだろうけどだってなんかすごい思い切りつけまズレてたんだもん気にならないわけなかったよねいやでも待ってどうして心の中でとどめておくことができなかったのよ私ー!

ブチ切れた女の子に思い切り胸倉を掴まれた。あ、これ殴られる。そう思ったのと同時に勢いよく手を振りあげる女の子。ギュッ、と目を瞑り頬にくるであろう刺激を受けようとした。


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