8話(1/3)
そうだ、あの3人と遊ぼう。
私はそう思いつく。思い立ったらすぐ行動!その言葉通りに私はあの3人の家へと向かった。
「サボー!サボー!!」
玄関をゴンゴン叩いて、ドアノブを掴みガチャガチャと引っ張る。家主からしたら何事かと思うに違いない。バタバタと足音が近付いてきてガチャリと扉が開く。物凄く嫌そうな顔をしたサボがそこにはいた。目を擦っているからもしかしたら私の立てた物音で起きたのかもしれない。玄関先にいるのが私だと分かるとサボは表情をくるりと変えた。
「アネモネ?! な、なんだよ朝っぱらから」
「遊ぼ!」
「は?」
「遊ぼうって言ってんの! ルフィとエースとも! 4人で!」
「いや、は? アネモネお前いきなりどうしたんだよ」
キョトンとするサボを押し退けてズカズカと部屋の奥へと進んでいく。現在午前7時…過ぎ。部屋に行けばきっとルフィとエースは寝てるんだろうな。ズンズン進んでいく私の手をサボが掴んだ。
「アネモネ、どうしたんだって」
「どうもこうも遊びたいから。ダメ?」
「…ダメじゃねェけど」
「大丈夫だよサボ。ね! 今日は遊ぼ!」
イマイチ納得のいかなそうな顔をするサボに私はフライパンとおたまを取ってきてと頼んだ。サボは優しいね、私のこと気にしてくれてるのだろう。でも大丈夫、もうウダウダ言ってられないから。言われるがままにフライパンとおたまを持ってきたサボからそれを受け取って、私はルフィとエースの部屋の扉を開けてすぅ、と大きく息を吸った。
「起きろ〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!」
どこの漫画だ、と思うような朝の始まり。けたたましい音に驚いた2人がベッドから落ちる音が聞こえた。
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私に叩き起こされたルフィとエースはこの世のものとは思えないくらい酷い顔をしていた。じとりと睨んでくる2人にフライパンとおたまを見せたら慌てて視線を逸らす。アホかこの2人は。
「…で、何しにきたんだよ?」
「ほんと人の話聞いてないよね〜?! 遊ぼうよって言ってるの!」
「えぇ〜! 俺今日サンジに飯食わせてもらう約束なんだよ〜!」
「ダメだよそんなの断って!また今度にして」
「やだ! サンジの飯が食いてェ!」
「おいアネモネそれ今日じゃなくちゃダメなのか?」
「今日じゃなくちゃ遊んでくれないでしょ」
そう言えば兄2人は苦い顔をした。 ルフィはおれはいつでも遊んでやるぞー!だなんて言っている。じゃあ今日一緒に遊んでくれって話なんだ。絶対に揺るがないと悟ったのか兄2人はしぶしぶ、といった形だったが首を縦に振ってくれた。
ルフィがいやだいやだとただをこねているときにこっそりサンジくんに電話をして断っておくと元々そんな約束はないと言っていた。多分あれだね、ルフィが勝手に今日の予定を立ててたんだね。
「ルフィの嘘つき! サンジくん別にルフィと約束入れてないって言ってたよ!」
「何だよアイツ!」
「何だよじゃないよ! とりあえず今日は私と遊ぶの!分かった?!」
ルフィの頬を引っ張りながら言う。にしてもよく伸びるなあ、このほっぺ。ふにふにしてるし。ほんの少し夢中になって頬を引っ張っていたらバシン!と手を叩かれた。いてーよ!って言うけど、叩かれた私の手も地味に痛いからね!
「今日は、いっぱい、遊ぶよ!」
ついていけない、とでも言いたそうな顔をする兄2人を一先ず蹴飛ばしておいた。さて、何をして遊ぼうか。
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