4話(1/3)

最悪だ。

今日は天気だっていい。洗濯物日和ってやつ。それに、今日は数学と英語があったのに先生に当てられなかったし、教室掃除の日なのに今日は急遽掃除無しになったし。購買に売ってる限定のパンだって買えたし、気に食わない先生のズラがずれたし!

それだっていうのに何が最悪かって?

目の前で自分の幼馴染が女の人とイチャコラしているんですわ。もう目のやり場が困るっていうか。今日に限ってボニーは一緒に帰ってくれなかったし、ナミもナミで部活があるらしくて一緒に帰れないし、よりによって、今日!

幸いなのかあっちは私がいることには気付いていない。気配を消して場を乗り過ごすのは得意だから(成功するとは言ってない)そろそろと忍び足で他の生徒に紛れてその場から去ろうとした。


「ねェ、エース。今日は何かあるの?」
「いンや、何もねェ」
「ふふ、ならこれからどう?」
「…おー、そうだな」


2人の会話が嫌というくらい聞こえてくる。私そんなに耳が良かった覚えなんてないんだけどなあ。2人の会話の意味が分からないわけではない。これからそういうことをするんだろう。あーあ!やんなっちゃう。やんなっちゃうなあ。

エース達だって、何も学校の前で堂々といちゃつくことないのに。2人から大分遠ざかってもリップ音がずっと頭から消えてくれなかった。

あーあ、やんなっちゃう。







「あら、アネモネおかえりなさい」
「お母さんただいま……って、何その荷物?」


浮かない気分で家へと帰ると両親がキャリーケースを用意していた。どこかへ行くのだろうか?大きめのキャリーケースを用意しているもんだからきっと何日か家を開けるのだろう。

仕事柄、昔から色んなところへと行く人たちであったから、今更寂しいとかそういうのはないけど、ただ母のご飯がしばらく食べられないんだなと思うとそれだけは少し残念だった。


「急な仕事が入ったのよ。ごめんね、3週間くらい家空けるけど…」
「3週間〜?! まあ仕事なら仕方ないけどさ…」
「何種類かおかず作り置きしてあるからダメにならないようにちゃんと食べてね」
「了解ですママン」


作り置きしてあるならしばらくはやっていけそう!自炊は出来るけどやっぱりお母さんのご飯には適わないよね。うん、やっぱりお母さん強い。ビバママン!


「それでね、最近何かと物騒だからドラゴンさんとロジャーさんのお宅にしばらく泊まらせていただけるように頼んであるから…」
「ッ!? えっ、な、それって、エース達のところに3週間泊まれと?!!」
「そうよ? あの3人ならアネモネのこと任せられるもの!」
「おい、まだそんなこと言ってるのか!あの悪ガキ三兄弟だってもう年頃なんだ、逆に危ないだろう!」
「そんな風に考えるのはあなただけよ。アネモネ、キッチンに肉じゃが置いてあるからちゃんと持っていくのよ?いいわね?」
「えっ、ちょ、そんな勝手な…!」


あー忙しい忙しいと慌ただしく部屋を行き来する母とあの三兄弟に任せられるわけないだろー!と大騒ぎしてる父をぼうっと眺める。む、む、無理だ。無理だ!

あんなイチャコラしてたエースと顔を合わせること自体が!無理!サボとルフィならまだしも!いやむしろ会いたいけど!エースは無理だよ!


「ちょ、ちょ、ちょ、お母さん!待って!」
「何よ?」
「私、もう高3なんだよ?1人でも大丈夫だってってば」
「この間変な人たちに絡まれてたってエースくんから聞いたけど?」
「ヴッ、いやそれは」
「何?!アネモネお前変な輩に絡まれたのか?!!?」
「いいからドラゴンさん家にお世話になりなさい」
「やだ!やだ!!だったらシャンクスの所行く!」
「「それは絶対にダメ!!!!!」」


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