7話(2/3)

突っ込んできたのはルフィだった。一体何しに来たというのだろうか。ルフィとは、あの水族館以来まともに顔を合わせていなくて会うの事態本当に久しぶりだからちょっと緊張する。

私の上に馬乗りになってるルフィはバッと顔を上げると私をじぃ〜っと見てにんまりと笑った。


「えっ、なに、るひ、え?」
「会いたかった!」
「えっ」
「あ〜〜アネモネ〜〜〜〜ッ!!!」


頭がまったくついていかない。気付くとルフィにぎゅうぎゅう抱きしめられていた。わけもわからずよしよしとルフィの頭を撫で続けていると背中に手を回されたまま体を起こされてリビングへと連れていかれた。

2人でソファーに座ってるとルフィは最近会っちゃいけないような感じがしたと言ってわんわんと泣くように不満をこぼしていた。まあ、確かに思えばあの空気の読めないルフィがここまで空気を読んだのってなんだかすごいような気がする。

私の勝手な行動で振り回してごめんね、と思いながらも口にするのがなんだか出来なくてただ私は頭を撫でることしかできなかった。







「うめー! マキノが作るよりもおれアネモネのこれの方が好きだ!」
「それはちょっと言いすぎじゃない?マキノの方が美味しいよきっと」
「いや! アネモネの方がうめェ!」
「へへ、ありがとね」


突然の訪問からしばらくして私とルフィは一緒に牛乳を買いに行った。途中、ルフィのクラスメイトのローくんと会ってはなんだか驚いたような顔をして私たちを見ていたけど、手元に持っていたベポたんキャンディを分けてくれた。ローくんってあれなんだね、案外可愛いものが好きなのかなとか思ったり。

予定通りフレンチトーストを作ってルフィと一緒に食べる。相変わらずよく食べるから家にあったパンとせっかく買ったばかりの牛乳は全部使い切ってしまった。まあ、最近のお詫びということで。満足そうに笑ってくれるルフィの笑顔に私も笑みが零れた。


「な〜アネモネまた泊まりにこいよ〜〜」
「んー、近いうち、ね。行こうかな」
「ホントかァ〜〜?!サボとエースにも言っておくな!!」
「うん、迷惑じゃないならまた行くよ」
「迷惑なわけねーだろ! あのなァ、アネモネお前いちいち考えすぎなんだよ! おれら何年一緒にいると思ってんだ!」
「…そ、だよね。へへ、ごめんねルフィ」
「おう!許す!」


しししっ、て笑みを浮かべてるんだろうなと思いながら一枚一枚お皿を洗う。今ルフィの方向いたら、きっとぽろりと涙が流れてしまうんだろう。

私の方がお姉さんなのになあ、って思いながらも気にかけてくれる兄のような弟が愛しくてたまらなかった。もっと私がしっかりしてたらこんな風にならなかったのになあって。ごめんねルフィ、ダメダメで。

何だか静かになったなと思って後ろを振り向いて見たらソファーに座ってるはずのルフィがいなくて、どこに行ったのかと思えばいつの間にか私の横に立っていた。驚いて持っていたお皿を落としそうになると、ルフィがそれをすかさず取ってくれた。あ、危なかった…!


「び、びっくりした。物音立てずに横に来るんだもん。何、どうしたの?まだお腹すいてる?」
「…アネモネよォ、」
「っ、?」


私の名前を呼んだのと同時に、ルフィは私の後ろに回ってぎゅ、とまた抱きしめてきた。どうしたんだろ、今日、やけに甘えたさん?首元に顔を埋めるもんだから、ルフィのちょっと固めな髪の毛が当たってくすぐったい。


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