5話(2/3)

「ひゃー!見て!見てよルフィあれ!ねえ!」
「こっちの方がすげェぞアネモネ!」
「待ってそれよりもこっちの方がすごいから!見て!ルフィったら!!」
「うっひょーー!何だあのツノ!ビーム出そうだなァ〜〜〜!」
「わあ本当だ!すご!」


ルフィに連れてこられたのはゲーセンなんかじゃなくてつい最近出来たばかりの海王類水族館だった。ずっと行ってみたかったから、ルフィに連れてこられたときはもうビックリした。まさかルフィがゲーセン以外で遊び場所を知ってるだなんて…!

私もルフィも、周りにいるちびっ子と同じかそれ以上に興奮している。大人の人達からの視線が痛くて我に戻るけどそれでもやっぱり海王類水族館すごい!見たこともない珍生物が沢山いる!


「ね!ルフィ今日ご飯どうしよう!」
「ここに飯屋あるらしいからそこで食おう!」


事前に調べてくれたのか分かんないけど、ルフィはここのことをよく知ってるみたい。何回か来たことあるのかな?それよりも本当にルフィが頼もしく見えてならない。

上がり続ける口角をどうにか元に戻そうと奮闘していたらいつの間にか隣にいたルフィがいなくなっていることに気がついた。あのバカ!すぐ一人で勝手にチョロチョロ動くんだから!

あたりを見回すと深海魚が展示されてる水槽に目を輝かせながら張り付いていた。子供じゃないんだからちょっと…


「ちょっとルフィ迷子になったら元も子もないんだから…!」
「ひゃひゃ!見ろコイツアネモネにすげェ似てる」
「はあ失礼すぎない?! あ、いやでもあれかこのぷにぷにさが私に似てるってこと?あー分かってるじゃん〜」
「ししっ、アネモネの方がぷにぷにだ!」


むにっと両手でほっぺを摘んでくるルフィ。そのままむにむにむにむにいじり続けるからしつこい!と手を振り払うとムスッと頬を膨らました。

その顔がなんだかあの深海魚に似てたからつい吹き出してしまう。お返しに、と思い私も両手でルフィの頬を包むとピクッとルフィの肩が跳ねた。


「ルフィ?」
「…ッ、…! 手ェつめてーよ!ビックリしたろうが!」


そんなに冷たいってわけでもないのに、ルフィからしたらそんなに冷たかったのかな?ああ、子供体温だからほんの少しだけでも冷たいと敏感になるんだろうなあ。

ごめんね、と口を開こうとしたら手を取られてそのままルフィのパーカーのポケットに突っ込まれた。


「こうしておけばあったかくなるだろ!ししっ」


覗き込むように笑みを浮かべながら言うルフィにちょっとだけドキンとした。いやあ、ただのおバカさんかと思ってたけど実際そうでもないみたい。なんだかんだで男の子だ。いいなあ、若い若い!アホなルフィが女の子に人気なのも、ほんの少しだけ分かったような気がした。

ポケットの中で、指を絡めてくるルフィ。今日のルフィは何だか、男だ。


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