あーーーつーーーいーーー
あーーーつーーーいーーー
あーーーつーーーいーーー
何度も繰り返される間延びした気だるそうな声。暑いのは分かってるからそう何度も暑い暑いって連呼しないでくれるかな、暑いのがもっと暑くなるじゃないか。手でパタパタと仰ぎながらnameを見る。仰いでも全く風が来ないし意味がない。むしろ生暖かい風が肌にまとわりついてくるだけだから動かしていた手を止めた。
「んねーーーーえーーーーーーーあっっ、ついーーーーーーー」
「分かってるって」
「あーーーつーーーいーーー」
「あーもううるさいなあ」
隣でだらしなく寝転がるnameにチョップを入れる。ぐえ、だなんて女子の欠片も感じられない声を出してじとり、と俺を睨む。その目つきさえ暑い。俺ははあ、息を吐いて立ち上がった。
「あれえ〜どこ行くの?」
「泉」
「何しに〜〜〜?」
「水浴び」
「わ、いいな、私も行きたい!」
さっきまでのだらしないnameは一体どこへ行ったのだろうか。早く泉に行こう行こうと周りをチョロチョロしてくる。最高に邪魔だし、最高に暑苦しい。めんどくさくなったからちょこまか動くnameを担ぎあげて家を出た。
「自分で歩けるってばー」
「チョロチョロされんのすごい鬱陶しい」
「だって水浴びできるって思ったらさあ〜」
「泉ついたら降ろすから待ってろって」
うひひ、だなんて笑うnameにほんの少しだけ口角が上がった。ぶるる、と首を振るわすエポナに目をやると私も連れていけとでも言いたそうにじっと見つめられた。うん、そうだな、3人で水浴びするか。
エポナの上にnameを乗っけて泉へと向かう。ふとnameの方を見るとニッコリと笑っていた。そうだな、たまにはこういうのもいいかもしれないな。夏だし。
夏だねニッコリと笑ったnameがそう言った。今度はイリアも誘って、タロとマロとベスとコリンも誘って、みんなで水浴びしようか。
2015.07.21
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