※ちょっとお下品


エースに今晩呼び出されてしまった。

これってもしかしてもしかしなくともそういうあれだよね?あの、あれ。俗に言う夜のお誘いってやつだよね?サッチとマルコとエースがこないだ降りた島で話してたのをたまたま、本当にたまたま聞いちゃったんだけどなんか、エース最近溜まってるらしくて!

いやこれってもしかしてもしかしなくとも絶対そういうことだよね?いやまあ恋人同士だしそういう夜の営みとかはして当たり前っていうか、当たり前って言い方したらおかしいかもしれないけど別にあのいいとは思うっていうかいやでもなんかこう改めてお誘いいただいちゃうと、あの、なんか恥ずかしさあるよね?

どうやって今晩エースの部屋に行けばいいのだろう!やあエース、来たぜ!エース、来たよ!エース〜おっじゃますっぞ〜!失礼するでござるエース殿……いやダメだこりゃ!考えたら考えるほどまともなのが思いつかない!どうやっていかにも自然に行けばいいのだろうか!

いや待てよ、まず今晩部屋に来てくれって言われただけであって別にそういう夜の営みをするとは限らないよね?!ああそうだよ何私ったら早とちりしちゃってるのかしら!あーあーあー、恥ずかしい!そうよいくら溜まってるといえどそんなことないない大丈夫大丈夫!


「おいname!」
「うひょおうあぅッ?!」
「さっきから呼んでるのに何で気付かねえんだよい。考え事か?」


小首を傾げながら聞いてくるマルコに私はブンブンと首を横に振った。びびびび、びっくりしたー!いきなり声かけないでよ!って思ったけど呼ばれてたの全然気付かなかった。どんだけ私エースのこと真剣に考えてたのさ……!


「ごご、ごめんごめん……んで何?」
「悪いンだが今から買い出しに行ってきてくれよい」


……………………………は?







マルコにいきなり買い物を任さてもう十回以上は絶対に船と島を行き来したと思う。ああ、ダメだ死ぬほど疲れた超眠い。食材や備品、ありとあらゆる調達物を全て私にやらせた意味がわからない。大体、食材なんてサッチに任せたらいいじゃない!なんで私が!海軍もうじゃうじゃいて逃げてくるのにどれだけ苦労したことやら。

眠い体にムチをうちエースの部屋へと向かう。ああダメだ眠いよ死にそう…!ノックもしないでエースの部屋に入ると珍しく書類整理をしていた。珍しいこともあるもんだと思いながらソファーに横になる。ああやばいこのまま寝れる…。


「遅かったな」
「うん〜…うん…」


生返事すると書類整理を切り上げてエースがソファーに座ってきた。わざわざ膝枕をしてくれて何だか今日のエース妙に優しい。ああこのまま普通に一緒に寝たいなあ。髪の毛を梳いてくれるエースの手が心地よくて今にも寝てしまいそうになる。


「眠ィの?」
「うん…うん……マルコに買い出し行かされて………結構、船と島往復して…」
「そっか、おつかれ」
「うん…エースも書類整理お疲れ様」


顔に添えられる手が暖かくて本当に寝そうになる。睡魔に負けて瞼を閉じると急にエースが立ち上がって私の上に覆いかぶさってきた。ん?あれ?

目を開けると、妙に熱の篭った視線を私に注いでくるエース。ああ、これってもしかしてもしかしなくともこれはやばいのではないのだろうか。生憎私にそんな体力は残っていない!ダメだよエース、今日はダメだよ。するが早いかエースの手が服の中に入ってきて私は慌てて起き上がった。


「ちょちょちょ、エース、ダメだよ」
「なんで」
「何でって………、あの、私、疲れてる…から」
「俺も書類整理疲れてる」
「いやでも、あの、今日はほんとに……」
「一回だけ、な?」


そんな甘えた声出したってダメなのはダメなんだからー!グイグイ距離を縮めてくるエースから精一杯身をよじって逃れようとするけど場所が悪すぎる。もう逃げられないよ無理だ!

ニタリ、と笑うエースに腹が立って顔面にパンチをしようと思ったら振り上げた手を纏められてしまい抵抗が出来なくなってしまった。ああもう!


「もう、エース!ダメだって!」
「一回だけだって」
「ダメ!ほんとに今日はダメ疲れた死んじゃう!」


ジタバタ暴れてみるけど当たり前にエースにはかなわなくって。フッ、と耳に息を吹きかけられてビクッと身体を震わすとまたエースが笑った気がした。どうしようこのままじゃ完全に食われる!


「name」


顔を近付けられてキスされそうになったけど私は咄嗟にヘッドロックを喰らわせて痛みに呻いてるエースを押しのけて距離をとってやった。ふふん、ざまあみろ!人の言うことを聞かないからこういう目にあうのよ火拳のエース!


「っ、何すんだ!」
「正当防衛!」
「name、こっち来い」
「やだ、だめ、今夜はシません!」


そう言い放ってエースの部屋から出て一目散に自分の部屋へと向かった。エースには悪いけど今日はほんとに疲れたんだよ、責めるならいきなり私をパシらせたマルコを責めてください!


翌日、目の下に隈を作ったエースがマルコに突っかかっていくのを見かけて私はほんのちょっとだけしてやったりな気持ちになった。ざまあみろマルコ、私をパシらせたりするからだ。おかげで筋肉痛だぞ私。この野郎!私の分の恨みも晴らしてくれているように錯覚してしまった私はにやけを抑えられずにいた。恨みをまだ晴らしきれてないエースが私の背後に迫っていることも知らずに。



シません

(おいname)
(ひいっ?!え、ええ、エース!)
(昨日だったら一回で済ませてやろうと思ってたけど、ダメだ。お前今日寝れると思うなよ)
(ちょ、待っ、やだごめ、でも私昨日はほんとに…!あっ、やめ、ぎゃー!)


2015.06.19

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