※現パロ


「リンク〜、ご飯できたよー起きてー」


シャッと勢い良くカーテンの開く音と、窓から差し込んでくる陽の光の眩しさにうっすらと目を覚ます。おはよ、と柔らかく微笑んでくるnameに俺もおはよと欠伸混じりに返す。ぐうっと伸びをしてベットから出てリビングに行くとかぼちゃスープのいい香りがしてぐるる、とお腹が鳴った。nameの目を盗んでバターロールを一つ頬ばろうとしたらパシンと手を叩かれてしまった。


「こらリンク。顔洗ってからにしなさい」
「ケチだな、パンくらいいいだろ」
「ダメですー、ほらいいから早く顔洗ってきて。私お腹すいちゃった」


それは俺も同じだ。早くnameの作った朝ごはんを食べたいからいそいそと洗面台へと向かった。




「今日は何するの?」
「んん、ん〜、特に何もないかなあ」
「あれ、じゃあ今日は暇人さんだね」
「待ってあれだ、バドに頼まれてた写真焼きにいかなくちゃ」
「うわ、またゼルダの写真?ホント好きだね…」
「自然に写真撮る僕の身にもなってほしいよほんとに」
「自然にとか言ってるけど結局は盗撮でしょ?あーやだやだ私がいるのに他の女の子の写真撮るだなんて」
「おいname…」
「あは、冗談だってば!分かってる分かってる」


nameの作った朝ごはんを食べながら他愛もない話をする。ああ、こういう何気ないのが幸せっていうんだなとしみじみ思う。クスクス笑うnameを見てると自然と僕の口角も上がる。ああ、好きだなあ。幸せだなあ。


「今日私ゼルダとお買い物してくるからお留守番よろしくね」
「ええ、折角の休みなのに僕と一緒にいてくれないかよ?」
「ごめんごめん、ほんとに今日は外せない用事なんだよ〜」
「ふーん、まあいいけど」


幸せだなあ、とは思うけどお互い忙しいから休みが合うこともない。今日は久しぶりに休みが重なったから一緒にゆっくり過ごそうと思ってたけどそうもいかないらしくて少し残念だ。

少しぬるくなってしまったかぼちゃスープを飲みながら、食べ終わった食器を片付け始めるnameの姿を見ながらああ残念だとぼんやり思う。


「ああ、いいよ片付け僕やるから。まだ食べてるし」
「ほんと?ごめんねありがとう」


そういうとポンポンと頭を撫でられた。立場逆だと思うんだけどなあ、と思いながらもnameに撫でられるのも悪くないなと思いながらされるがままでいる。


「じゃ、片付けよろしくね。残さず食べるんだよ!」
「そんな子供じゃないんだから大丈夫だって」
「ふふ、そうだよね。じゃあ行ってくる」


バタンと閉まるドア。ああ、一人になってしまった。ほんの少しさみしいなと思いながらバターロールをもぐもぐ食べる。気晴らしにテレビをつけてみたけどどれもつまらないニュースばかりで、やっぱりnameがいないと退屈だな、と思った。

二つ目のバターロールに手を伸ばすと、何か違和感を覚えた。あれ、この感触…あれだ。レーズンだ!僕レーズン嫌いなのに!すぐさまかぼちゃスープで流し込む。うひい、なんでレーズンパンなんか!食べれないって言ってたはずなのに。

好き嫌いは特にないほうだけどレーズンだけはてんでダメで、あれを美味しい美味しいと言って食べるnameのことが理解できなかった。ああ、もしかして残さず食べるんだよって言ったのはこのことだったのだろうか。いやでも僕ほんとにレーズンだけは…。

テーブルの上にまだたくさんあるレーズンパンを見ながら僕は盛大にため息をついた。

nameのやつ、帰ってきたら覚えておけよな。今日の晩御飯にトマトたくさん使った料理ご馳走してやる。



レーズンとトマト

(うわーんリンクごめん〜意地悪したの謝るからお願いトマトだけはほんとにやめてえええ)
(何言ってんだよ俺だって食えないレーズンパン死ぬ気で食べたんだからな)
(でもだからってそんな主食も主菜も飲み物もトマトにすることないじゃんよおおおお)
(食べ物の恨みは恐ろしいのです)


2015.06.19

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