すいそうにさよならすればきみはにんげん
うつくしき鰭
おろかしき脚
どちらを選べばあなたをすくえるの?
あぶくなら、いくらだって、ぶつけてあげるのに
ことばは、どうしたの、まったくとどかない
私の愛が届く日には
ああ私の恋がとけていく

水槽浴
ぷうるさいどの君
さよならおやすみまた来世
きみの涙を受け止めるために用意したボウルは空のまま割れてしまったよ
あなたの水滴は甘そうだ
泳がせてくれてありがとう
ひとりで遊ぶのは上手だよ
いっそのこと、沈ませて

規則正しいわたしのからだ
諦めることで楽になれるのなら
息すらせずに眠っていられる
それでも生きてる

おいしいものいっぱいあげるよ
だから手をつないでバイバイしてね
真実よ、どうか逃げないで、私のそばに、
ちっとも哀しくなんかない。
あのときのぜつぼうのひとみがいまでもわすれられないんだ
揺らいだ瞳の黒い色
それだけでしあわせで、すこしさみしい
かみさまかみさま
さいごには笑っていたい

君の愛は僕を満足させるだろうか
陳腐なものが嫌いだと言う彼の言葉はちんぷんかんぷん
比例しない愛
彼の言い分
君はぼくだけを見なくてはならない
愛とはそういうものだ
崇拝にも似ている
すべては自己愛
彼女の言い分
私はあなたを愛した
幸せになれるのならば
さよならさえ厭わずに
しあわせさえ さよなら
さよならさえ しあわせ
愛ではない。恋だ。
ぼくだけを好きになってほしい
傲慢な想いを君にねじ込む
きみはぼくをみない


怠惰を抱いて君は眠る
風見鶏は北を向き悲しみを歌った
ああもうすぐ冬がやってくる
君はその微笑みを絶やすことなく、生きるのだろうか
花が芽吹くころ、その微笑みは変わらず君と共に在るのだろうか
終わりが歩いてくる
かなしみのゆりかご
輪廻をつかみ取れば怠惰に終着

朽ちるのを待つだけの人生
ゆめみごこち
ずっとずっと夢の中で暮らしていく
泣きながら生きてきた世界にさよならをしよう
惜しむことも忘れて
しあわせだとほほえみながら
さよなら、さよなら
やさしい世界
やさしさで満ち満ちている
易しい世界

つまめるくらいのうすっぺらな愛
もう見向きもしない
わたしとあなたはべつのもの
ひとりひとりがちがうもの
てのひらのおんどかさねても
きっとさびしさ、うまらない
きすはわすれてないていた
そんなわかい、ふたりです

好きだというきもちだけで、生きていられたらよかった
まっしろな優しい感情を
壊れないようにそっとそっと扱って
そのまま生きていたかった
いっそとけてしまってさ
うずもれていく、このきもちも
ついでにぜんぶつれていって
くるしみなんか、わすれてしまって
しろくなってみたい


なぜ泣くの
あなたの悲しい
わたしの嬉しい
齟齬だって抱きしめてみせよう
ほら笑って
心の安寧をお届けします
なんとなく好きな人
接点をください
縫ったそばからほつれていく
知らないふりしとく
見えないから、泣いてもいいよ
こもりうたのかわりになりますか?

そんな、泣くほど、好きなんですか?
ぼくではだめなのに?
不可解な現象
僕の知らない君がそこにいる
なんにもおぼえてないんだよね
あいにくぼくは聖人ではないもので
でもやっぱり寂しい
好都合だと叫び、泣いた
強がってみせるところ、ぼくはこどもだね。
隠してしまうところ、きみはずるいね。
涙と同じ速度で消える恋
ゆっくりと、たしかに、きえていく
今ならわかる気がする
こんなにも、泣くほど、すきでした。

なあ、どれがいい
言葉ならたくさん持っている
心して聞きたまえよ、きみ
君が頷いてくれるのを待つだけの、僕は臆病な男だよ
優しくしないでください
縋りつきたいと願うのはこの腕です
はしたないと罵るのでしょう?
おろかな腕を笑ってはたきおとして
極端だと困惑するのですか?
捕まえたまま何もしないということは、きっと愛してくれることよりも辛い気がする

好きだなんて言えるわけがないのを知っている
ずるいときみがなく
それがわたしとのたまう
どちらでもないのが、本当です
ずっと同じではいられない
そういった彼の声が珍しく震えていた
黙ったまま抱きしめるしかできないこの腕
ねえ、あいしてるごっこをしようか
そしたら、さびしくないかな?



放し飼いのわたしたち
饒舌に空回る
唯の駄々
あの馬鹿を殴ってください
唯一で無二で絶対だと嘯くその口を縫い付けてやりたい
陳腐な舌を噛み切ってやろう
暴力的な晴れ模様
頭のなかにいるよ
生まれたてのはかいしょうどう
やわらかさにまぎれる
ダイナマイトセンチメンタル
ぷっつんしちゃうぞ
君が後悔してくれればいいのに
君が懺悔してくれればいいのに
ぼんやりした午後の陽光の中の惨劇

手をつなぐところから始めてみませんか
いくらでも焼いてしまえばいい
だけど君はもう違う人のもの
願わくば君が幸福でありますように
今日も夢に見た
きみは笑っていた
心臓の質量を確かに意識した
なんにもいらない
そんな私を好きだと言ってよ
やっと貴方を迎えにいける

甘い骨
カスタードクリームでできているのよ
オーマイスイートベイビー!
べちゃべちゃに甘やかしたい
ろれつがまわらなくなるまで
僕の弱点を教えてあげる
やわらかい指の腹
砂糖漬けの日々
あなたの唾液は甘い
錯覚させて
サッカリンに似ているあなた
しびれるような感覚
いわゆるひとつのあいのかたち
あなたの狂気は何色?
わたしはあなたの秘密を握っている
悪癖とも言える性癖に辟易
誰かが呼んでいた
絶望に懇願している
すくえないのね


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