「・・・す、好きって、友達として・・・だよな?やだなあ俺様ってば初対面でいきなり友達認定とかカリスマありすぎだろーあっはっは!」
「違う」
「うっ・・・」


「僕は」




非常に嫌な予感がする、なんで立ち上がるんだよなんで近づいてくるんだよちょっと待て待て待てまて近い近い近いちかい!!


「あなたのことが」





「・・・あ!」




あともう少しで惨劇というところで俺は我に返った。ここ学食なんですけど!人が、人がね!沢山いるの!俺はまだ大学ライフを満喫したい、こんなところでホモ扱いされてたまるか!


「や、やめれ!」

「!」



びたん!という音がなるくらい勢いよく目の前の顔を両手で押さえ込んだ。力が強すぎたみたいで口がタコさん状態になっているのがちょっと面白い・・・じゃなくて!


「時と場所を考えようぜ・・・」

「考えたらしていいの?」

「いいわけあるか!バカ!」

「ギュスターさんの成績はそこそこ優秀よ」

「そういう意味じゃないよスミスちゃん!」


俺は思わず溜息をついた。なんだかどっと疲れが出てきたように思う。もしかしてこの二人はすごく接しづらいタイプなんじゃないか?という考えが脳裏をかすめた。そうだ、三十六計逃げるにしかず。逃げよう。そして忘れようこの事は!



「あっ!そ、そういえば俺様用事があったんだっけなー」

「用事?」

「そうそうだからもう行くわ!行かなきゃいけないからじゃーな!」

「待って」

(待てるか!)

「・・・待って」

「うおっ!」


こいつは全速力で逃げようとする俺の腕を思いっきり引っ張りやがった。そのせいでバランスを崩して後ろに倒れ掛かる。細身のどこからそんな力が出てきたんだ、もしかしたら俺より強いんじゃないか・・・?等と考えている間に、なんということだろうか、抱きとめられてしまった。これは俺様の沽券にかかわる重大な事件だ。

しかも放せともがいても全く動じない、そこそこ力は強い方だと自負していたからかなりショックだ。よりにもよってこんな男か女か分からない奴に負けるなんて、



「今日からあなたの家に住まわせて」

「・・・はああ?」



しかも変なこと言ってくるし。




「家賃はちゃんと払う」

「や、そういう問題じゃ」

「他に行くところがない」

「う、」

「どうしても、駄目?」

「駄目?って言われても・・・」


どう考えても変だろう、昨日あったばっかりなのに同居だなんて世間一般のカップルでもなかなかやらないんじゃないか?それに男同士でカップルというのは変だ。しかも俺はこいつのことをなんとも思っていない訳で、でもこいつは俺のことが好きだとか言ってる。全部が全部おかしいじゃないか。



「そうだ!スミスちゃんの家は?」

「まあ!わたくしに殿方と同居しなさいと言うの?あなた、デリカシーはどこに置いてきたのかしら」

「ですよねー・・・」


結構名案だと思ったのにばっさり却下されてしまった。当たり前だろう、二人は友達だけどただそれまでだ。俺は相当参ってるのかもしれない・・・。


「じゃあ、」

「何もしないから、お願い」

「・・・ちょっと待て何もしないからってなんだ!」


早く解放されたい一心でいっそ同意してしまおうと考えていたら、ギュスターが不穏なことを言い出した。
何もしないって何!?俺様そういう発想すらなかったよ!え、つまり何かするつもりだったと、ていうか何かってなんだよ!


でも何故か俺のことを拘束していた腕がゆるんだから全力で振り払って逃げ出した。本当に最悪だ、今日は厄日だったのかもしれない。




「・・・」

「惜しかったわ、一言余計だったみたい」

「・・・、」

「これだから面倒なのよね、おしゃべりは」



ふう、と溜息をつくスミスの横で、ギュスターが必ずものにする。と物騒な決意をしていたことには誰も気付かなかった







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ぐだぐだ!
これからなんやかんやあって結局同居するっていう設定でした^p^




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