ギュスターとガルムのおはなし
その日は本当に災難だった、いろんな意味で。
夜も更けた頃、俺は一人で夜道を散歩していた。ついでに可愛い女の子がいたら声でもかけようと目論んでニヤついていたから不審者に見られたかもしれない。まあいいけどな!
今歩いている道はまばらな街灯以外に明かりは無く、側にあるのは森と川。そんな道を夜中に一人で歩く女の子なんているわけがないと思っていたからそんな冗談も考えられた。だけどいたんだ、"そんな道"を一人で歩く奴が。
ちょっと興味がわいたから観察がてら尾行をすることにした。
(結構上玉じゃねえか、ラッキー)
そいつは俺がそう思ってしまうくらいには容姿が良かった。偶然みた横顔は中性的で整っていて、プラチナのような銀髪はなんか・・・変な髪留めで留めていた。服はあまり拘ってないようで適当なスウェットにジーンズといった具合だな。
ただ一つはっきりしないことがあった。
・・・こいつは男か?それとも女?
男だったら声をかけるなんてしんでもごめんだ。誰が好き好んで男を家に連れ込もうとするんだ、誰もしないだろそんなこと。
でも女だったらかなり良い部類に入る。きっと声もいいだろう。
中性的な顔と肩に毛先が付くくらいの髪、細い身体つきに男が着ても女が着ても問題のない服装とどちらにも見える要素が多すぎてなかなか判別がつかない。
(ええい、ままよ!)
散々悩んだ挙句、結局声をかけることにした。
「なあなあかのじょー、何してんの?暇?俺様んち来ない?」
D Q N っ て い う な
振り向いたそいつはやっぱり綺麗な顔をしていた。
あ、別に本気で連れ込むつもりはなかったんだけどな。人に構うのが好きなだけだし。それに夜中に一人で歩いてたってとこもちょっと気になる、場合によっちゃ深夜徘徊は危ないって教えといた方がいいかもしれないな。
俺様超やさしーじゃん!そんけーしてもいいんだぜ!
・・・と考える余裕があるくらいにそいつは喋らなかった。
俺のことをじっと見て黙りこくっている・・・これはなかなか気まずい。
「だ、大丈ぶ・・・」
「行く」
「マジで!?」
シャイな子なのか?と思ってもう一言かけようとしたらいきなり肯定の返事がきてビビった。おかげで声裏返っちゃったよ恥ずかしいなクソ!
「いや、ていうか、マジで?」
「行く宛てがない」
「マジで!?」
もう俺様マジで!?しか言ってねーよ、どういうことですか。いやどういうことですかほんとに。行く宛てがないって漫画かよ!
とりあえず家に連れて行って事情をきこう。そう考えた。
―今になって考えるとこれが一番の失敗だったと、思う。全く知らない奴なんだから置いていってもよかったはずなのに、なんで連れて行ってしまったんだろう。
「え、・・・と。お、おう。じゃあうち来るか」
「・・・いいの?」
「いいよ。やっさしーい俺様が事情を聞いてやろうじゃねーか。ふふん!感謝してもいいんだぜ!」
「ありがとう」
(今のツッコミどころだったんだけどなあ!)
大抵の子は『やだーきもーい(真顔)』とか言ってくるからこうも素直だと調子くるうな・・・なんて考えながら自宅まで二人で歩いた。
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ずっと書きたかったギュスターとガルムの話です^p^
漫画にしようとしたら自分のコマ割りのヘタクソさと写メの収まらなさに涙ちょちょぎれたので小説で書くことにしましたw
小説もアレだけどきにしない!
一応ちょっとだけ続くつもりです。
あと小説内の描写と設定画が食い違ってると思うのですが(中性的とか綺麗とか)そういうつもりで描いてるのか・・・と思ってやってください・・・。