こひぶみ



午後3時。

俺は本部の喫煙所でゆったりと
午後の一服をやっていた。

…最近は海軍まで喫煙のルールに厳しい。
取り敢えず、喫煙所以外で吸うと
何らかの処分が下るらしい。

…中将の誰かが、結構な罰金刑を
食らったと聞いたので、噛ましじゃないだろう。



…海賊が来なくても、仕事はどっさり来る。

だから、この寛げる時間は貴重で、
出来ればたしぎにも邪魔されたくはない。


「大佐!…お手紙が…」

…ゆっくりしていたのに。

「ちっ…貸せ?」


受け取ってみると、
何だか稚拙な封書だった。

きちんとした書ならば、
まずこんな封筒は使わねぇ。

…ガキが使うような、
真っ赤な可愛らしい封筒。

そして、封筒に書かれた…
これまた汚ぇ字は

『海軍本部 スモーカーさま』
『あんたの恋人より☆』

と書かれていた。

…恋人?


封(ハート型のシール)を剥がし、
中身を読んでみる。


『俳啓、スモーカーへ。

元気にしてっか?
とりあえず、俺は今、本部の近くを
航海中です。

ぼちぼち、そっちにも着く頃だと思うから
何か茶菓子でも用意しといて下さい。

敬具。

あんたの恋人、ポートガス・D・エースより。』


…読んでて、ため息も出ない。
…まさか…こいつに邪魔されるとは…。

「…あほか、奴ぁ…」

「あほじゃねーよー!」

いきなり、頭上から人が降ってきた。
…あほが…降ってきた…。


「よっ、スモーカーのオッサン♪」

「………ハァ…」

いい笑顔で現れた、差出人。
ポートガス・D・エース…。


「…ここは敵地だぞ?
海賊が海軍に自ら赴くとは…
エース…やはり貴様はあほだな?」
そう言うと急にムスッとなり

「…さっきっからあほだあほだうっせェ!
俺はあほじゃねェってば!!
…ただ、本能に身を任せてるだけで…」

「…あほな上、野生か……
貴様の家系はやはり面白いな。」
「家系…?あぁ、ルフィとじーちゃん??
まぁ、俺らはみんな強いからな。」


「それはそうと、さっきの手紙だが…」

そう切り出すと、エースは目をキラキラ輝かせた。

「手紙っ!読んでくれたよなっっ??!」

「あぁ、さっきまで読んでいたが」


俺はエースに向けて手紙をつきだした。

「40点」

「……はぁ?!何だそれ…」
「まず、敬語のミスな。…あと、漢字の間違い。

……お前、本当に二十歳か…?」

エースが顔を真っ赤にして抗論し出す。

「だっ……///
だってよ、手紙なんか滅多に書かねェし
書いたとしても敬語なんか
使った事…ねェしさぁ……」

小声でそういうと、俯いてしまった。

顔は見えないが…耳が真っ赤に染まっていた。

……何故、こいつァこんなに可愛い?

一々、ガキみたいな反応だったり
すぐに拗ねたり、照れたり。

しかし…まさか一番大切な所を
こいつ自ら忘れてるとは…珍しい。


「おい、エース…あと……」

「んだよォ…また馬鹿にすんのか?
どーせ俺は二十歳にゃ見えねェよーだ…」

…拗ねてやがる。


「あほ。…お前、何か忘れていないか?」


「何か…?いやァ、特に……」


「…やはりお前はあほだ。…ほら、茶菓子。」

そう言ってぽすりと菓子袋を投げやると
エースはこの上無い笑顔になった。

「あああああっ!!
…スモーカー、用意してくれたのかっ??!」

「…お前が言ったんだろうが……」

最後の台詞は聴こえないかのように
エースははしゃぎまくっている。

袋を断りもなく空け、中身を取り出した。

中身は、円形のカルメ焼きが7、8個。

「へー…海軍じゃ、こんな菓子食ってんだ?
それとも…スモーカーの好み??
いやー、どっちにしても旨そー!」


(…まぁ、まず俺は菓子は
基本的に食わない。
甘ったるいのは苦手だからな。)

「なぁ、スモーカー?」

エースが切れ長の目をキラキラさせて
涎でも垂れそうな表情で問うてきた。

「一緒に食わねェか??」

「…いや…俺は甘いのは苦手だ。
エース、お前1人で食っていい。」

そういうとエースはさっと不機嫌そうになった。

「せっかくなんだ、食おうよ!」

エースが駄々捏ねるが…苦手なモンは苦手だ。

「俺は煙草があるからいい。
いいからさっさと食っちまえ…
お前、ここは海軍だと忘れているだろ…」

そう聞くと、へらっと笑って

「大丈夫って。そんな簡単に捕まんねェよ!」

と言い、カルメ焼きをかじった。

甘いのが気に入ったらしく、
エースはそれなりにゆっくりと食べていた。


「……なァ、スモーカー?
ちょいいいか??」

何だと思ったら、エースは俺の口に手を掛け
煙草を奪った。

「…何のつもりだ?」

「んー、こういうつもり♪」

エースはカルメ焼きを口に含み、
その状態でキスしてきた。

そして、カルメ焼きをどうにか俺の口に入れようと
舌を必死に動かす。

「んー、んー…!」

その必死さがどうも可愛くて
その舌を吸ってやると、エースは
思わずくぐもった声を上げた。

「ふ、ぅ…っ……ん………う…」

そして、頭を離すと、名残惜しそうに
トロンとした目で見つめてきた。
午後3時。

俺は本部の喫煙所でゆったりと
午後の一服をやっていた。

…最近は海軍まで喫煙のルールに厳しい。
取り敢えず、喫煙所以外で吸うと
何らかの処分が下るらしい。

…中将の誰かが、結構な罰金刑を
食らったと聞いたので、噛ましじゃないだろう。



…海賊が来なくても、仕事はどっさり来る。

だから、この寛げる時間は貴重で、
出来ればたしぎにも邪魔されたくはない。


「大佐!…お手紙が…」

…ゆっくりしていたのに。

「ちっ…貸せ?」


受け取ってみると、
何だか稚拙な封書だった。

きちんとした書ならば、
まずこんな封筒は使わねぇ。

…ガキが使うような、
真っ赤な可愛らしい封筒。

そして、封筒に書かれた…
これまた汚ぇ字は

『海軍本部 スモーカーさま』
『あんたの恋人より☆』

と書かれていた。

…恋人?


封(ハート型のシール)を剥がし、
中身を読んでみる。


『俳啓、スモーカーへ。

元気にしてっか?
とりあえず、俺は今、本部の近くを
航海中です。

ぼちぼち、そっちにも着く頃だと思うから
何か茶菓子でも用意しといて下さい。

敬具。

あんたの恋人、ポートガス・D・エースより。』


…読んでて、ため息も出ない。
…まさか…こいつに邪魔されるとは…。

「…あほか、奴ぁ…」

「あほじゃねーよー!」

いきなり、頭上から人が降ってきた。
…あほが…降ってきた…。


「よっ、スモーカーのオッサン♪」

「………ハァ…」

いい笑顔で現れた、差出人。
ポートガス・D・エース…。


「…ここは敵地だぞ?
海賊が海軍に自ら赴くとは…
エース…やはり貴様はあほだな?」
そう言うと急にムスッとなり

「…さっきっからあほだあほだうっせェ!
俺はあほじゃねェってば!!
…ただ、本能に身を任せてるだけで…」

「…あほな上、野生か……
貴様の家系はやはり面白いな。」
「家系…?あぁ、ルフィとじーちゃん??
まぁ、俺らはみんな強いからな。」


「それはそうと、さっきの手紙だが…」

そう切り出すと、エースは目をキラキラ輝かせた。

「手紙っ!読んでくれたよなっっ??!」

「あぁ、さっきまで読んでいたが」


俺はエースに向けて手紙をつきだした。

「40点」

「……はぁ?!何だそれ…」
「まず、敬語のミスな。…あと、漢字の間違い。

……お前、本当に二十歳か…?」

エースが顔を真っ赤にして抗論し出す。

「だっ……///
だってよ、手紙なんか滅多に書かねェし
書いたとしても敬語なんか
使った事…ねェしさぁ……」

小声でそういうと、俯いてしまった。

顔は見えないが…耳が真っ赤に染まっていた。

……何故、こいつァこんなに可愛い?

一々、ガキみたいな反応だったり
すぐに拗ねたり、照れたり。

しかし…まさか一番大切な所を
こいつ自ら忘れてるとは…珍しい。


「おい、エース…あと……」

「んだよォ…また馬鹿にすんのか?
どーせ俺は二十歳にゃ見えねェよーだ…」

…拗ねてやがる。


「あほ。…お前、何か忘れていないか?」


「何か…?いやァ、特に……」


「…やはりお前はあほだ。…ほら、茶菓子。」

そう言ってぽすりと菓子袋を投げやると
エースはこの上無い笑顔になった。

「あああああっ!!
…スモーカー、用意してくれたのかっ??!」

「…お前が言ったんだろうが……」

最後の台詞は聴こえないかのように
エースははしゃぎまくっている。

袋を断りもなく空け、中身を取り出した。

中身は、円形のカルメ焼きが7、8個。

「へー…海軍じゃ、こんな菓子食ってんだ?
それとも…スモーカーの好み??
いやー、どっちにしても旨そー!」


(…まぁ、まず俺は菓子は
基本的に食わない。
甘ったるいのは苦手だからな。)

「なぁ、スモーカー?」

エースが切れ長の目をキラキラさせて
涎でも垂れそうな表情で問うてきた。

「一緒に食わねェか??」

「…いや…俺は甘いのは苦手だ。
エース、お前1人で食っていい。」

そういうとエースはさっと不機嫌そうになった。

「せっかくなんだ、食おうよ!」

エースが駄々捏ねるが…苦手なモンは苦手だ。

「俺は煙草があるからいい。
いいからさっさと食っちまえ…
お前、ここは海軍だと忘れているだろ…」

そう聞くと、へらっと笑って

「大丈夫って。そんな簡単に捕まんねェよ!」

と言い、カルメ焼きをかじった。

甘いのが気に入ったらしく、
エースはそれなりにゆっくりと食べていた。


「……なァ、スモーカー?
ちょいいいか??」

何だと思ったら、エースは俺の口に手を掛け
煙草を奪った。

「…何のつもりだ?」

「んー、こういうつもり♪」

エースはカルメ焼きを口に含み、
その状態でキスしてきた。

そして、カルメ焼きをどうにか俺の口に入れようと
舌を必死に動かす。

「んー、んー…!」

その必死さがどうも可愛くて
その舌を吸ってやると、エースは
思わずくぐもった声を上げた。

「ふ、ぅ…っ……ん………う…」

そして、頭を離すと、名残惜しそうに
トロンとした目で見つめてきた。

半開きの口から
お互いの唾液に塗れた舌を覗かせ
顔を紅潮させ、息を乱しているエースは
とにかく何かそそるものがあり、
俺はそのままエースを抱きしめた。

「すもー…かー?
あ…甘いの、やっぱ駄目だった…?」

俺の胸の中で、そんな心配をしている。

「…あぁ、やはり甘いのは胸がムカムカするな。」

「苦手なモン、無理やり食わせてごめん…」

しゅん、としてしまったエースに、俺は呟いた。

「あぁ……甘いのは、お前だけで十分だ。」

そう言うと、エースはまた赤くなった。

「ばっ馬鹿…そーいう事言うなよッ!
…それよりさ…食おう?」
「…また口移しなら食うが?」

「…エロ親父め…」

そう呟き、お互い笑った。


その後、カルメ焼きは2人でしっかりと
食べ尽くした。

何十回も口移しで、
カルメ焼きとエースのキスを味わいながら。




end




+++



800hitありがとうございました!


…なんかスミマセン……

スモーカーはキス魔くらいが丁度いい。


今回はキスで止めれて良かったです;
(多分、スモエーイチャラブエロは私には無理です。)

題名、「Sweetboy」にするか迷ったんですが
やっぱ「こひぶみ」にしときました。
響きが好き。



こんな駄文でよろしければ、
Cina様のみお持ち帰りOKです(・∀・)





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