HappyBirthday,MyBros.




「エースエースっ!今日、何の日か分かるか?!」
「超簡単なクイズだな。…俺の誕生日だろ?」
「ちぇーっ、去年は忘れてたのに…」
ルフィの頬がぶくっと膨れた。
全くいつまでも忘れてる訳ないのにな。
「で、俺の誕生日だけど何だ?」
そう意地悪く質問すると、
ルフィはあたふたし始めた。
「えっ、その、あの、…
…おめでとうって言いたかったんだ!」
「へぇ〜…」
成る程、クイズだけだったのか。
…なんかちょっと寂しい気もするな…。


その日の晩飯は、素晴らしく豪華だった。
俺の好きな肉。
俺の好きな飯。
俺の好きな料理。
俺の好きなケーキ。
ダタンさんは、そりゃもう腕を奮ってくれたらしい。
いつも美味い料理が更に美味い。
ルフィもニコニコして肉にがっついてたし。

飯を食い終わって一息付いた頃、
「さぁエース、誕生日プレゼントだ。」
そう言ってダタンさんは小さな箱を置いた。
「…?…何ですか、これ」
「まぁ、開けてみろ」
言われるままに箱を開ける。
そこから出てきたのは、
赤と白のボーダーの腕輪だった。
「着けてみな?」
手首に填めると、ダタンさんはニッコリ笑った。
「似合ってるな」
「…ダタンさん、ありがとう!」
「いいって…そういえばルフィは?」
「え…?」
そういえば、いない。
…いつの間に?
「ちょっと探してきます!」
ドアをがしゃっと開き、飛び出した。


色んな場所を探した。
近所の家は全部回った。
木の上も、川岸も。
でもいない。
近くの森も叫びながら探し回った。
その森を抜けた丘に、やっとルフィはいた。

「馬鹿、何で勝手に…」
「エース!こっちこっち!」
怒ろうとして、即刻出鼻を挫かれた。
「…何だよ…」
「ほら、見て見て!空!!」
そう言って俺の腕を引っ張る。
「…あぁ?」


空に広がっていたのは、
今にも落ちてきそうな星空だった。

「すげェ……!」
「だろ?だろっ?…あのな、エース、…」
「?どうした、ルフィ」
そう尋ねると、もじもじと答えた。
「物じゃねぇけど、これ、誕生日プレゼント!」
「……!」
「あ、…ダタンみてぇな物の方が…」
「何言ってんだよ、お前らしくていいじゃねェか」

そう言うと、ルフィは今日最高の笑顔で
エース大好きだぞ!と笑った。


本当は、ルフィの笑顔が最高のプレゼント…

………



……クサいな、ちょっと(笑)



end



+++



A誕企画@
…の割に3つのうち最後に仕上げ。

ルフィからは
『絆以外の物じゃない物』の贈り物。

未だにダタンの性格が…
0巻でしゃべり方が明かされて
それだけなので何だか…




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