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「…夷陵に、ですか?」

「あぁ、あそこならば今の子龍でも安全に腕を磨けるだろうと思ってな」

陽平関で漸く趙雲と合流を果たした馬超だったが、この世界が崩壊する以前の趙雲の実力では、あの大蛇を相手にするには些か不安が残っていた。
ならば、比較的大蛇が出現してから日の浅い夷陵での戦いに出向いて経験を積むのが良いのではないか?
そういった馬超の、ある種の思い遣りから来た提案だった。

「ですが…本当に大丈夫なのですか?…私は…」

「心配するな!俺はあの戦いを一度ならず二度経験しているのだ、大丈夫に決まっている」

趙雲は不安げに頷き、だが胸中では馬超の言葉を信じようと決めた。

(…馬超殿がこれだけ自信を持っているのだ、自分が油断しなければ危険に曝される事は無いとは思うが…)

「では子龍、準備でもして待っていてくれ。俺はかぐやに転移を頼んで来る」

「分かりました、ではまた後程…」

趙雲が軽く会釈すると馬超は軽く笑ってその肩をポンと叩いた。


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