d'amour pour 11 | ナノ





基本的に別人28号状態
佐藤さん基本酷い男。
今回軽度の暴力的表現あります。
















「首、絞めるの?」

そういって、相馬は笑った。

「首絞めると、下も締まるっていうもんね……ふふっ……いいよ?」
「!?」
「好きにして、いいよ……?俺は…かまわない、から……」
「……………」
「でも……」
「?」
「女の子には、しちゃだめだよ…? 女の子は、弱くて、脆いから……」

俺に首を絞められていても、微笑みながら俺を諭す相馬の姿にどこか狂気じみたものを感じる。
相馬の目は、どこか遠くを見つめていて、あきらめているようにも見えた。

「このまま、死んでもいいっていうのか」
「ふふ、そうだね……佐藤君になら、本望かなぁ…」

ゆっくりと、首に回す手に力をこめる。
一向に変わらない、相馬の穏やかな顔。

「どうして……」
「ん……?」
「どうして、お前はっ……!!」

そんなに、穏やかに笑っていられるんだ?

「ふふ、狂ってるって、言いたい……?」

違う、

「人を本気で愛するって……こういうことじゃないのかなぁ……」

違う、

「俺は、さとーくんに、何されても、いいよ?」

何で、

「いいんだよ?俺のこと”八千代”って、呼んでも」

何故、

「だって、

―――――だって俺は”代わり”なんだから」

違う!!!!

「!?」

気がつけば、相馬に手を振り下ろしていた。
今まで締め付けていた首にはうっすらと俺の手のあとが残っている。

「ふふっ……あはっ…あはは………」

相馬は笑う。
その目は俺を見てはいなかった。

「佐藤君、好きだよ……好きなんだ……」
「相馬、」
「すき、だよ……俺には佐藤君だけなんだ…」
「そう、ま」
「すき、すき…………」
「……………」



どうして、こうなってしまったのだろう。



(戻りたい。何も知らなかったあのころに)




薄暗い部屋。
相馬のすすり泣く声だけが、聞こえた。










―――――――――
(^ω^)うーん。
若干迷走中?
この話、小説で書くよりも、個人的に漫画のほうがいいと思ってます。
これからちょっとずつ、幸せになりますよ、この二人。
しばらくは佐藤さんのターン!