d'amour pour 10 | ナノ





基本的に別人28号状態
佐藤視点。












―――――― 一度でいいから、抱いてほしい。

泣きそうな顔をして、相馬は言った。
何が切っ掛けだったのか、
今はもうあいまいになってしまった。

俺の中に相馬に対する知り合い以上の感情は存在しないと思っている。


「それでもいい」

「俺だったら、佐藤君のこと悲しませたりしない」

「俺にしなよ」

「ねえ、佐藤君」

「俺が、

君のことを好きだと言ったら、どうする?」


笑って、相馬は俺に愛を囁いた。
どうするも、何も。
俺は、4年も前から同僚の轟八千代のことを思い続けている。
そう、4年もだ。
だが、どこに惹かれたのか、
どこがすきなのか、具体的に聞かれても答えられない。
4年も思い続けた結果、好きという感情がわからなくなっている自分がいる。

相馬のことは嫌いではない。
何を考えているかわからないしたたかな笑みを浮かべ、
容姿から想像も出来ないほどの腹黒さ。
でも知っている。
本当は傷つきやすくて、
そして………

「佐藤君」

俺の名前を呼ぶたびに悲しそうな顔をすることを。
そのたびに俺の胸に得体の知れないもやがかかる。
この感情が何か、俺は知らない。


俺と相馬はセックスをした。
結果だけいえばそうなのだろう。
しかし「一回だけ」という約束は守られず、
ずるずると体だけの関係、いわゆる「セフレ」的な関係を相馬と続けている。
どんなに酷く抱いても、相馬はなかない。
唇をぐっとかみ締めて、耐え続けている。

―――――気に入らない。

自分から誘っておいて、
自分から代わりを言い出して、
何で、
そんなに、



泣きそうな顔をしているんだ?





「…ごめんね…」

何に対しての謝罪だ?
俺にか?
投影している轟にか?
それとも、自分にか………?

なんにせよ、気に入らない。
気に入らない。
気に入らない、



自分が、
自分だけが、

悲しいなんて、おもうな。

俺だって、


かなしいんだ。












今日もいつも通りバイトが終わったあと、相馬をつれて家へ帰った。
恋人同士の甘い睦言なんて存在せず、無言で相馬をベッドへ押し倒した。

最近、妙にイライラする。

そのせいか、相馬に手を上げることが多くなってきた気がする。
理由など無い、理不尽で、我侭な暴力。
剥ぎ取るように服を脱がせた相馬の体には今までに自分がつけた痣が。
それでも、相馬は笑っている。
笑って、俺に体を差し出すのだ。


気に入らない、
気に入らない、
気に入らない………………!!!!





気がつけば、










俺は相馬の首に手をかけていた。









――――――――
(^ω^)わお。プチスランプ中なので脈絡とか、文体の崩壊は大目に見ていただけると助かります…すみません。佐藤さん模索中…。
しかしあれだな…酷い男じゃ…(自分でk(ry
佐藤さん視点編はやや暴力表現多くなりそう…
DV男子!?お、新しいジャンルじゃn(言わせねえよ?)