平良


誰にも負けない力が欲しいと望んだ。
とんでもない傲慢だと分かってた。
なのに、手を出さずにはいられなかった。
そうしなければ勝てない自分の弱さに疲れきっていた。

万能になったかのようだった。
他人を蹴散らすどころか、まるで世界を統べる全知全能の域に達したかのように、それこそ本当に、神に匹敵する力を手にした気分になれた。
人の限界を超えて俺達は走った。

その代償は、想像を遥かに超えた。
俺達は二度と、あのフィールドに立つことを夢見ることさえできなくなった。
禁忌を犯してまで手に入れたはずの力さえ、俺達を救ってはくれなかった。
もう元に戻ることさえできなくなっていた。

未来が来ない。ここには二度と。



おわり

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