照美


照美

幼い頃から、あまり怪我をしたことがなかった
だから、多分忘れていた
僕の身体の中を静かに流れているもの
負けて膝をついたあの時、思い出した
朱く激しい色をしていた
傷こそなかったけれど、確かにあの時、それは僕の身体から夥しいほどに流れ出ていた
色も匂いも感触も忘れていた
だから僕は一番大事なことも忘れていた

僕は神様になれなかった
神様は僕なんか要らなかった

おわり

[ 1/5 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -