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円鬼です





グラウンドの向こう側に、オレンジのバンダナが見えた。
彼は、立向居の特訓に付き合う!とこちらの練習に参加していない。二人のキーパーを失ったこちらは、いつもと比べると少しばかり特訓に身が入っていない気もした。
なにかと円堂の方向に目を向ける風丸や、緑川に八つ当たりしている基山、いつもより更に無言になった豪炎寺…。
キャプテンがいないだけでこのような有り様など、言語道断なのだが、このチームにはそれほどになくてはならない存在なのだろう。 つくづく皆に好かれているな。

「鬼道ー!!」

向こう側から俺を呼ぶ、彼の大きな声がした。急いで振り返ってみると、泥だらけでこちらへと走ってきていた。それに続くように立向居も走っていた。

「どうした円堂」
「いやさ、結構練習しただろ?ちょっと休憩にしようかなって思ってさ。鬼道はどう思う?」
「そこは俺の判断を仰ぐ必要はないだろう」
「いや、鬼道寂しそうだったからさ」

つい声かけちゃった。なんて笑う君に何故か体が熱くなった。






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