校門の前で待っていると、赤司先輩はすぐに来てくれた。
落ち合ってから、赤司先輩と二人で月明かりに照らされた夜道を歩いていく。
あまり言葉を交わさず、ふと会話が途切れた瞬間、徐に赤司先輩が話を切り出した。



「…話したいと言っていたのは、昼休みのことだろう。何かあったのか?」

「あ…そう、です」

「無理に聞き出すつもりはないが…」

「い、いえ!ずっと考えてたんですけど…やっぱり大したことじゃないのかなって思えてきたから、大丈夫です…」



慌てて返事をすると、赤司先輩はそうかと一言だけ呟いた。
話そうとしたとき、なぜか言葉に詰まってしまう。
言葉を探しながら口を開いた。



「変な画像が先生に届いたみたいで…それに写ってる人が、私に似てたみたいで…」

「…だから、呼び出されていたのか」

「…私じゃない、っていうのは…その、先生も信じてくれたんですけど…」

「……」

「…それだけです」



話している声が僅かに震えている。

何かあったら話せと言われてはいたけれど、話したところで赤司先輩の反応が怖かった。
またか、なんて内心うんざりしているのだろうか。
とにかく、赤司先輩に悪印象を抱かれたくなかった。
これは話さない方がよかったかもしれない、言い終えてからそんなことを思ってしまう。
なぜか赤司先輩の顔が見られない。
私自身、やましいことは何一つしていないとはいえ、やはりこんな問題の巻き添えを食らうような人なのだと思われることには抵抗があった。
その理由が、私のくだらない自尊心のせいなのか、ただ単に赤司先輩にそう思われたくないだけなのか。

気まずい思いのまま下を向いていると、隣から赤司先輩の声が聞こえた。






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