「ご、ごめんなさい…その、私、赤司先輩はそういうのないのかと思ってて…」

「…純奈は何か勘違いしているのかもしれないが、僕だからという理由で何から何まで特別な扱いを受けるということはないよ」

「そうだったんですか…だけど、赤司先輩が掃除してるところなんて…ちょっと、想像できないです」

「え〜マジで？今日だって普通にごみ捨てしてたしー」

「純奈の想像している僕がどんな風なのか、話していて少し気になったな」

「…あ、あの…それ、私だけじゃなくて、他の女の子も思ってると思うんですけど…」



同学年ではない上に、詳しいことまでは知らないとはいえ、赤司先輩のイメージだけを先行させすぎていたのかもしれない。
でも、赤司先輩が掃除をしているところなんて、在学中に一度は見てみたい光景だった。
赤司先輩に視線を向ける。
すると、なぜか紫原先輩が反応を示した。



「赤ちん。純奈ちんが赤ちんの掃除してるとこ見てみたいってさ〜」

「えっ！？む、紫原先輩、なんでそんなこと…」

「え、違った？」

「…違う、わけでもないですけど…」

「見たところでどうなるわけでもないだろう」

「学年が違って、あんまりそういうの見られないから…先輩が色んなことしてるところ、見てみたいだけです」

「…そうなのか」





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