「…ま、まあ…多分、これは人違いなんじゃないかな」

「そうですか…よかった」



黄瀬の言葉に胸を撫で下ろす女子たち。
安心させるように笑いかけたけれど、その笑顔もどこかはっきりしないものだった。
そんな思いに気付くこともなく、女子たちはほっとした様子で去っていく。

それから、三人は無言のまま廊下を歩いていった。
階段を下りて、下駄箱で靴を履き替えたところで、ようやく黒子が口を開く。



「…黄瀬くん、緑間くん。あの画像なんですが…間宮さんだと思いましたか?」

「俺は正直…あの画像の子、純奈ちゃんには見えなかったスね」

「そうかもしれないし、そうでないかもしれん」

「…さっきも言ったと思うんですが、間宮さんは入院してたんですよ?」

「もしかしたら、入院する前に撮られていたものだったのかもしれないだろう」

「だったら、今になってそんなものを送ってくるなんておかしくないですか」

「女子は噂好きだから、いつの話でも盛り上がれるんじゃないのか」



緑間も自分なりに考えていたのか、虚空を睨みつけながら淡々と黒子に返事をする。
性格上、もともと流れていた純奈の悪い噂が疑心を煽っているのだろう。
こんなことになるのも、全て悪意ある人たちのせいだ。
間宮さんはただの被害者だ。
そう思いながら、黒子は唇を噛み締めた。











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