「純奈ちゃんとは仲良くも悪くもないけど…どうしたの?」

「…これ、私の部活の先輩から届いて…画像なんですけど」

「画像?」

「バスケ部の先輩、好きな子たくさんいるから…そういう子たちに、確かめてきてって言われて」

「…あ、これです。私たち、間宮先輩のことはよく知らないから…」



二人組の片方の女子がポケットから携帯をこそこそと取り出して、一瞬だけ操作をしてからこちらに差し出してくる。
黄瀬はそれを受け取って、その脇から緑間と黒子も身を乗り出した。
三人で携帯の画面を食い入るように見つめる。

夜の繁華街に、純奈と思われているのであろう少女の後ろ姿。
何より、その左右に中年男性を連れている姿が印象的だった。
しかし、ネオンの光に薄明るく照らされている程度の光で、その画像だけでは本人かは判断できそうにない。
それを見て、かける言葉を失っている中、黒子が沈黙が破った。



「…違いますよ」

「黒子っち…うん…似てるかもしれないけど、後ろ姿だから分からないっスよね」

「本人じゃないはずです。だって、間宮さんはずっと入院してたんですよ」

「…もしも、この画像が本物だとしたら…噂は本当だったということになるんじゃないのか」

「……」



緑間の静かな声に黒子は口を紡ぐ。
二人の空気を察して、黄瀬は携帯を返した。






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