緑間が缶のお汁粉を愛飲していることを思い出して、すぐに話がつかめた。
何かあったかと思ったけれど、どうやら思い違いだったようだ。
お汁粉パフェは食べたことがあったため、美味しかったっスよ、と素直な感想を述べる。
それに興味があるのか、緑間はちらりと黄瀬を見て、少しだけ考えるような素振りを見せた。
「緑間っちは、あんまりマジバとか行かなそうっスよね」
「確かに頻繁には行かないかもしれんな」
「今度みんなで行きたいっスね」
「…お汁粉パフェは気になるのだよ」
そんな話をしていると、遠くの方から女子たちがこちらに向かって走ってくるのに気付いた。
黄瀬に一直線に向かっていって、緑間と黒子は先に行こうかと顔を見合わせる。
「涼太先輩!」
「どうしたの?」
「ちょっと、聞きたいことがあるんですけど…先輩って、あのマネージャーの人と仲良いんですか?」
「え?マネージャーって…」
「間宮、先輩…だったよね…?」
話を切り出した本人たちもうろ覚えだったのか、お互いが確認するように目を合わせて、頷いた。
あまりにも単刀直入な質問に目を丸くする。
思わず、返事に詰まってしまった。
どことなく不穏な空気を感じ取って、緑間と黒子も静かに目を合わせる。
後輩から唐突に純奈の話題を切り出されるなんて、何かあったとしか思えない。
何があったのかと思いながらも、黄瀬は首を傾げた。
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