ミーティングが始まる時間になったから、体育準備室を出て第一体育館に向かっていった。
女子マネージャーのミーティングは数の少ない一軍の人たちと一緒にすることになっている。
キセキの先輩たちと顔を合わせるかもしれない、そう思うと足が止まりそうになったけれど、今は赤司先輩や黒子先輩がいるのだ。

行くまでの間にもたついてしまい、少し遅れてから第一体育館に入っていった。
もうミーティングは始まっている。
赤司先輩が全員の前で今日の練習の流れを説明している姿が見えた。
赤司先輩を除く全員が自分に背を向けて立っている状態で、一番後ろに並んでいるマネージャーの列の端にさりげなく並ぶ。
一瞬だけ赤司先輩と目が合ったような気がしたけれど、気のせいかもしれない。

それにしても、後ろから見てもキセキの先輩たちは目立つ外見だからすぐに分かる。
他の人にはないような存在感があった。
あの先輩たちに、感情的になったからとはいえ、あんなことを言ってしまったなんて…思い出すだけで身の毛がよだつ。





ミーティングが終わってから桃井先輩に声をかけて、すぐに体育準備室に戻っていった。
どうやら、ドリンクやタオルなどの備品は美里香が各々の体育館に持っていってくれるようだ。
その方がいいだろう。
私が持っていったりなんかしたら、どんなことになってしまうのだろうか。
遠目に見えた美里香は黄瀬先輩と話をしていて、普段通りの美里香のように、見えた。
とにかく美里香が来る前に完璧に備品の用意をしておかなければ、そう思いながら純奈は足早に廊下を歩いていく。

実は、さっきから美里香のことが気になっていた
今日になるまで、美里香とはろくに会話が成立しなかったのだ。
こちらから思い切って声をかけても露骨に嫌がって会話をしてくれず、反応も鈍いものだったはずなのに、今日は何かが違う。

本当に、もう何もするつもりがないのだろうか。

できることなら、その言葉を信じたい。
しかし、ダメだった。
美里香が怖くて仕方ないのだ。
美里香の前で無防備でいるなんて自殺行為のような気がする。

純奈は大きい溜息を吐いて、体育準備室の戸を開けて自分の作業を始めた。











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