授業が終わり、騒がしい放課後になる。

今日一日、純奈の様子を陰ながら窺っていたけれど、休み時間は教室にいられないのかどこかへ行ってしまっていた。
その選択はあながち間違っていなかったと思う。
純奈が教室から出ていったあと、教室中が純奈の話題で持ち切りになったくらいなのだから。
久しぶりに登校したのだから、こうなることは容易に想像がついていた。

もう来ないと思ってた。よく戻ってこられたね。
そんなことを口々に話しているクラスメイトたちの姿を横目で見ていた。
ここで、あたしがあえて純奈のフォローをすれば、何か変わるのだろうか。
もし、そうだとしても今となっては無意味なことだ。
ここまで成長した悪意を、あたし一人のフォローでどうこうするなんてそれこそ無謀に決まっている。



「ねえ、美里香もそう思わない?」

「え?ごめん…あんまり聞いてなかった」

「間宮さんだよ!もうこのまま転校しちゃうのかと思ってたし」

「…転校はしないと思ってたよ」

「なんで?」

「純奈が入院してるとき、お見舞いに行ってきたの」

「え…美里香だけ?」

「ううん、バスケ部のみんなで」

「え!?え!?も、もしかして…キセキの先輩たちも…?」

「うん」

「…バスケ部のマネージャーってすごいじゃん。みんなでお見舞いに来てくれるとか、天国じゃない?」






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