「図書室、行ってみようかな…」
「いいと思いますよ」
「…でも、すごく心配です」
「そこまで心配ですか？」
「試験も心配なんですけど、やっぱり…補修することになったら、その…」
「…？」
「部活に出られなくなって…黒子先輩にも、赤司先輩にも、会えなくなるから…すごく心配で」
「…間宮さん…」
「あんまり要領よくないから…あ、でも、ちゃんと試験も頑張ります」
一瞬、黒子先輩が何かを言いかけたような気がした。
けれど、それを遮るように予鈴のチャイムが校内に鳴り響く。
ここから教室までは少し距離があったため、なるべく急いで戻らなければいけない。
何か言おうとしたと思ったのは気のせいかな、そう思いながら純奈は黒子に声をかけた。
「あの、早く戻らないと…遅れちゃいます」
「…そうですね」
「黒子先輩…」
「なんですか？」
「…なんでもないです」
「言っておかなくて大丈夫ですか？」
「え？」
「…いえ、こっちの話です。じゃあ、早く戻りましょう」
「は、はい」
うまくはぐらかされてしまった気がしたけれど、純奈は何も言わずに黒子と教室の方へ向かっていった。
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